カラスの子育て2018

2018年2月25日

カラスの巣作り部品

二月も下旬となると陽ざしが暖かくなり、まだ気温は低いものの春の訪れを感じるようになった。

寒かった今年の冬も、ようやく終わりのようだ


カラスの巣作り部品

二週間ほど前から我が家のウッドデッキに木の枝がポツポツと落ちている。

風に飛ばされて飛んできたのか?

それにしてはいつも同じような枝だ。 不思議に思っていると、そこにまた枝が落ちてきた。


カラスの巣作り

あいつの仕業だ。


カラスの巣作り

ハシボソガラスのお父さんである。 どうやら巣作りの材料を集めているようで、 森から枝を拾ってきては、ここで形を整えているらしい。

今年もいよいよカラスの子育ての季節が来たようだ。

ウッドデッキに枝が落ち始めた時期から考えると、 2月の中旬から巣作りを始めたようだ。 その頃はまだ朝は氷が張るほどの極寒の中だったが、 カラスたちはどうやって春の訪れを感じているのだろうか。

今年のケースを見ると、気温で判断しているのではないことは明らかだ。 おそらく太陽からの輻射熱の増加か、日照時間を基準にしているのだろう。


カラスの巣作り

それにしてもなぜ、我が家の屋根で作業するのか。 雨どいが詰まるからやめてほしい。


さて、今年はどこに巣を作ったのか?

辺りを見渡してみると、 その場所はすぐに分かった。

松の木

そう、一昨年と同じ松の木だ。 我が家の庭を見下ろす位置にある。

元旦にハシブトガラスを森の奥に追いやったおかげで、 一番良い位置に堂々と巣を構えたようだ。


カラスの巣

巣の材料はウッドデッキに落ちていた枝と同じものだ。 器用に長さを揃え、あそこに運んでは枝を編んでいたのだろう。

巣はもうほとんど仕上がっているようにみえる。


2018年2月27日

カラスの巣作り

そして、巣の骨格部分を作り終えたハシボソ夫婦は、今度は内装の仕上げに取り掛かる。

見つけたのは犬の毛。 仕上げに柔らかい材料を敷き詰めてヒナの布団にするのだ。


カラスの巣作り

これはハシボソのお父さんだ。 巣作りは主に彼の仕事らしく、珍しく積極的に働いている。

ベテランなだけに手際が良い。 そして、どこか楽しそうにみえる。


長年、連れ添ったこの夫婦は協力して手際よく作業を進める。 だが彼らは特に仲が良いわけではなく、 自己中心的な夫とそれを献身的に支える妻という関係である。

カラスの夫婦

いつも夫は妻の分まで食べ物を独り占めする。

しかし、そんな夫にもわずかながら変化があらわれるのであった。


2018年3月8日

カラスの夫婦

いつものように大好物の卵黄を食べるお父さん。


「今日もオレ、腹いっぱい食べちゃうよ~!」


カラスの夫婦

「一つはここで食べて~、残りは持って帰ろうかな♪」


カラスの夫婦

「・・・、」


だがお父さんの動きは止まった。


何か悩んでいるようだ。どうしたのか?


カラスの夫婦

「・・・、」


空を見上げるお父さん。


カラスの夫婦

しばらく自問自答の末、 大好物の卵黄を残して立ち去った。

そう、お父さんは自分の妻のために食べ物を残してやったのだ。

当たり前の話に聞こえるかもしれないが、 このお父さんにとってはすごい事である。


カラスの夫婦

それを見ていた妻がやって来た。


カラスの夫婦

粗暴で自己中心的なお父さんだが、妻への思いやりが芽生えたのだ。

だがその、ささやかな「思いやり」はこの時期だけの事である。

季節限定の愛妻家なのだ。


2018年3月13日

カラスの夫婦

今、夫婦がそろって巣にいる。

枝に隠れて分かりにくいが、右が妻で左がお父さん。 お父さんは時々巣の様子を見に来ては、巣の中のメンテナンスをしている。

3月7日から卵を温める様子が見られたので、 おそらくその頃には産卵を終えていたはずだ。


カラスの夫婦

庭にハシボソのお父さんがやって来た。

だが、エサ台には降りてこない。


カラスの夫婦

立ち止まり、巣のある森の方を見上げるお父さん。


カラスの夫婦

すると、すぐに飛んできたハシボソの妻。

今日は妻に食べ物を譲り、自分は見張り番だ。


カラスの夫婦

この日の妻は一日中巣に座っていたせいか、動きがぎこちない。 羽にはフンが付着して汚れている。

通常は巣で卵を温める妻に夫がエサを運んでいくものだが、 この夫婦の場合は食事は各自セルフサービスである。

それでも、このお父さんにとっては限界に近い優しさの発揮である。

彼にはこれ以上はとても無理なのだ。


~ 4ヵ月前のお父さん ~

カラスの夫婦

何といっても以前の彼は、
←コレだから。

自分より先に食事を始めていた妻にキレて、 何度も蹴りを喰らわすお父さん。
(2017年11月8日撮影)


そして今は・・・、

カラスの夫婦

妻にエサ場を譲り、 屋根の上をウロウロと歩くお父さん。

似合わないことをするので落ち着かないのだろう。


カラスの夫婦

行ったり来たりする落ち着きの無い背中からは、無理してる感じが伝わる。


カラスの夫婦

ちょっとイライラしてきたようだ。


カラスの夫婦

エサ台の前で妻をせかすように動き回る。


カラスの夫婦

そして無言のプレッシャー。


カラスの夫婦

妻は食事を終え巣に戻っていった。


カラスの夫婦

それを見届け、食事を始めるお父さん。

エサ台には残り少ないドッグフード・・・。

普段とは逆の状況である。


カラスの夫婦

その日の夕方、近所の電柱にとまるハシボソ夫婦を見た。

何だかんだ言っても仲が良いのだ。


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2019年6月8日公開

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