カラスの飼育法 「ヒナの飼育」2021年改訂版

ヒナに必要な栄養素

鳥類のヒナは骨格及び骨格筋(筋肉)の成長速度が著しく速い。それだけにヒナの時期は多くの栄養が必要となる重要な時期なのだ。そのためには高タンパクで尚且つカルシウムやビタミンがバランスよく配合されたエサが必要になる。

成鳥に比べて高タンパクなエサが必要になる他、カルシウムやビタミンの不足は深刻な問題を引き起こす可能性がある。そこで無難な選択としては子犬用の栄養価の高いフードがお勧めである。成犬用に比べると成長に必要な栄養素が多く含まれているからだ。しかし安価で売られているフードでは原材料の質は期待できないので、高価格帯の信頼できるブランドのものを選ぼう。

ヒナを市販のフードだけで育てるのはリスクがあるため、他の食材も用意しよう。お勧めは小魚の刺身、生ささみ、鶏卵、豆腐などだ。爬虫類のエサとして売られている昆虫でもよいだろう。重要なことは、同じものばかり与えずにバランスよく食べさせることだ。

給餌方法

ドライフードの場合は40℃前後のお湯に浸して吸水させる必要がある。この時、熱湯を注いでしまうとデンプンなどの成分が変質するので、お湯の温度には気を付けよう。

子ガラスのエサ 子ガラス

まずは部屋を明るくする。そしてエサを指でつまんでヒナの頭上に持っていくと口を開けるので、その瞬間にエサを放り込んでやる。これを一日に何度も繰り返すのだが、必要な量と給餌間隔はヒナの食欲を見て判断しよう。夜間に給餌をする必要はないので、夜は部屋を暗くして静かに寝かせよう。重要なことだがヒナは自力でエサを食べることができない。そのためヒナの飼育は留守がちな家庭では難しいのだ。

食欲がないとき

給餌の際にヒナが口を開けないことがある。それが一過性の食欲不振なら良いが、一日以上続くなら要注意だ。何日も続く食欲不振はヒナにとって致命的となる。その際は何とかしてクチバシを開けさせてエサを放り込むしかない。このとき、舌の奥にある気管にエサが入らないように注意する必要がある。

栄養バランスに気を付けても量が足りなければ意味がない。カラスのヒナは非常に大食いということを意識して、充分な量を食べさせよう。

ヒナに与える水分

カラスのヒナは自分で水を飲むことができない。そのため水を与える必要があるのだが、与え過ぎは禁物である。量の目安としては、ドッグフード等を水に浸して与えるならドッグフードが給水した水分だけで充分である。刺身や生肉などの水分量が多いエサは、そのまま与えることで水分の接種ができる。水分量の過不足はフンの様子をよく観察して調節しよう。鳥のフンは白い部分と茶色い固形の部分があるのだが、この固形物が液状になったものが下痢であり、水分過多か体調不良である。

体重測定

ヒナは日々成長し体重が増加する。そのため体重を測ることで健康管理に役立つのだ。もしヒナの体重の増加が思わしくない場合はエサが不足しているか、何らかの疾患の疑いがある。

羽毛がそろっていないヒナは保温が重要

羽毛が生えそろっていないヒナの場合、保温が必要になる。全身がハリネズミのようなトゲに覆われているようにみえるが、それは羽毛の成長段階である。その状態では羽毛の保温効果はない。その時期の室温は17℃くらいだろうが、25℃くらいに保つのが理想である。さっきまで寒い外にいたではないか?と、思うかもしれないが、巣の中では複数のヒナが体を寄せ合って保温しているのだ。だから単独のヒナの場合は室温を上げる必要がある。だからと言って、カイロを密着させるなど局所的に温めるのはよくない。あくまで室温を上げて、緩衝材などを詰めた巣のようなものを用意してやる。羽毛が完全に生えそろった後は特に保温する必要は無い。

ヒナの飼育環境

巣立ち前のヒナの場合は、巣を模したすり鉢型の容器を用意する。ヒナは巣の外に向かって後ろ向きに排泄する習性があるので、それに対応できるような形状が望ましい。そして足元にはタオルなどを敷き詰めて爪が掛かるようにすることが重要である。滑る材質の床では立ち上がる練習などができないのだ。巣立ち後の幼鳥については成鳥と同じ飼育環境でよい。

その後の飼育

カラスの幼鳥は巣立ちした後でもしばらくの間、親鳥から給餌を受けている。そのため、自力でエサを食べることはできない。したがって、この時期の幼鳥は常に給餌をする必要がある。同様に水も自力で飲むことはできないので、適切に水分を摂取できるようにしよう。そして置きエサへの切り替えは少しずつ訓練しよう。

子ガラス

完全に置きエサに切り替わったなら、その後は成鳥の飼育方法と同様である。その際は水の容器を用意することを忘れないようにしよう。放鳥を目指す場合はさらに採餌の訓練と飛翔訓練が必要となるため、ハードルは高い。


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更新履歴

2021年5月5日 改訂 2017年版はこちら

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2017年8月27日 公開

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