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当サイトが運営するカラスの里親募集は、カラスを救護したものの行政は助けてくれず飼育環境もない。その結果、どうしようもなく窮地に陥った人と、カラスを飼いたい人を繋げるという、おそらく日本初の企画だったと思う。
里親希望者のなかにはボランティア精神で里親になってくれる人も多く、このような方々に支えられてきた。しかし、実社会においてカラスへの認識は不気味で嫌われた存在であり、それを飼いたがる人も一風変わった人物が多いため、これまでに様々なトラブルがあった。
里親希望者からの申告内容が全て虚偽ということはザラにあり、断ったら別名になって再登場するという人物もチラホラといた。こういうのは犬猫の里親募集でも定番のようで、最近は「里親詐欺」とよばれている。その他、すでに多頭飼育崩壊していたとか、2DKの壁の薄いアパートだったとか。さらに先日は「羽に菌がいるのでカラスを返却したい」という呆れたものまであった。先週のネットニュースで「インコがゆうパックで送られてきた」というのがあったが、私はその程度のニュースでは驚かない。なぜなら、実際に里親希望者が「ゆうパックでカラスを送ってほしい」と要望してくる事例はよくあるからだ。
こういう細かなトラブルは多くあったが、その中で一番記憶に残っているものといえば、2019年11月に里親との間で発生したトラブルである。この件は当時、サイトで公表したので古い読者は記憶にあるかもしれない。
あれは忘れもしない里親募集19番だった。里子に出されたのは、とある女性に可愛がられていた2歳になるクル病のカラスで、飼い主の引っ越しに伴い泣く泣く別れを告げたのだった。
その時、里親になったのは近県に住む元医師で独り暮らしの女性だった。この女性をとりあえず「里親A」とする。
里親Aは、やたらとカラスの治療をしたがる人物だった。里親Aはこのカラスを迎え入れると、落ち着く間もなく翌日からハードなリハビリを開始した。その内容は、カラスをハンモック状の布で吊り上げて足への負荷を減らすというものだった(下記ツイートの「症例2」のこと)。2歳のクル病なんて今更改善の余地もないわけで、気の毒にそのカラスは強いストレスを感じたのか一週間後に死亡した。カラスはそれほどストレスに弱い動物なのだ。
当時、報告を受けた私は里親Aに聞き取りし、無駄なリハビリについて指摘したのだが、それに対して里親Aは激高。元医師としてのプライドに触れたようだ。そして、翌日から猛烈な勢いで私に対する誹謗中傷をツイッターに書き込んだのであった。
当時、里親Aによってツイッターに書き込まれた一例を示そう。
<以下、里親Aの当時のツイートから一部を引用 原文そのまま>
↓↓
「自分に 誇るものが無いから、カラスブログで、威張ってるんだよ。薄っぺらい男だねえ。私の周囲は、カラスブログの管理人のことを、そう言います。カラスブログから、カラスを貰うと、酷い目にあいます。」
「カラスブログってあるじゃない?飼ってみたい人が貰ってみたり、あえて病気の鳥を、助けようと 良心で貰うと、たとえば、アクシデントや病気で死なせると、管理人が犯罪者みたいに、罵倒するの。近づいちゃダメ。貰ったら最悪。」
「カラスブログの管理人、細胞の研究してて、実験の為にカラス飼ってるって。そういえば、彼が引き取った静岡のカラス、行方不明で公表してない。動物実験?に使った?」
「決して カラスブログから、カラスを受け取ってはいけません。何かで病気、死亡させると、管理人が、上から目線でものすごく罵倒します。 この子は、人間のお菓子みたいなものを2年間、そして日光に今日、初めて出ました。くる病は肝臓や心臓もやられるので、間もなくなくなりました。管理人の罵倒の嵐」
「症例2の続き。まずは、網戸に使う網で ハンモックを作製。2時間おきのサシエ。暴れて傷を作るので、低反発マットの上に置いたら、転げ回って羽を痛めるので、柔らかい布を購入、再びハンモック。今度は、自分から落ちる。受け入れてくれる子は、これで治ったのに、どうしてめダメ。どうしようか・」
「症例2の続き。ハンモックの閉鎖的なところをなくすため、頭を自由にするように。しかし、やはりハンモックが嫌らしく、ある日、ストレスの為か、吐血して死亡。誰か、この症例の解決方法を教えて。」
「あーあ。弁護士事務所に行ってきます。動物は、ただ生きているのに、人間の変な思惑や悪意で、こうなるんだねえ。人を避ければ、人がついてくる。男とは、関わらないようにしようっと。」
「カラスブログを、告訴することにした私。実際に 獣医に見せてるし、記録も残ってる。ブログの管理人は、獣医も薬もサプリも認めない変人。野鳥は、人間の食べ物与えればOKとか。法廷で、決着を。」
<以上、引用終わり>
これはほんの一部であり、こんな感じで私に対する誹謗中傷をネット上で1カ月以上、朝から晩まで繰り返したのだった。ちなみに、里親Aが上記のツイートをしている期間中に私は本人と一切の交信をしていないため、里親Aが常に一方的につぶやいている状態だった。また、私は飼育指導をする立場ではないので里子が死んだからといって、里親を責めることはない。この時も、なぜ死んだのか聞き取りし、リハビリの無駄を指摘しただけである。
私は「バカ」とか「アホ」とか言われるのは構わない。しかし里親Aの書き込みは、在りもしないことを捏造して執拗に私の人格を貶めるものであり、これまでに味わったことのない感覚に襲われた。特に「実験の為にカラス飼ってるって」とか「行方不明で公表してない。動物実験?に使った?」などの書き込みには心底恐怖を覚えた。
私には何の落ち度もなく、誰かのためになることしかしていないのに、ここまで貶められるとは。怒りよりも寒気がはしる感覚だった。例えどんな屈強な人間でも、連日にわたり在りもしないデマをバラまかれたら心が折れるというものだ。
それで、この後にどうなったのかというと、私が相談した弁護士は「刑事事件として立件される要件を満たしている」ということで、弁護士を通して警察に刑事告訴することになった。通常、誹謗中傷の刑事告訴はハードルが高いが、弁護士曰く「カラスブログに対する業務妨害にあたる」そうで、ハードルは下がるということだった。こういう非営利の個人サイトでも業務妨害は成立するということだ。
すぐに県警が動いて刑事部の警察官が里親Aと何度か接触したのだが、いきなり刑事から連絡を受けた里親Aはすっかり委縮し、これまでのツイートを全て消したのだった。それでも私は、引き続き刑事事件として追及したいという気持ちは強かったが、精神的にまいっていた。もう里親Aとは関わりたくない、早く終わりにしたいという気持ちが勝った。そして私は妥協し、刑事告訴を取り下げたのであった。
例えば犬猫を扱う動物愛護団体からすれば、これくらいのトラブルは日常茶飯事で慣れているだろうから「カラスブログは里親トラブルに対して耐性が低い」と思われるだろう。だが、カラスブログは里親サイトでもなければ動物愛護団体などでもない。単なる個人サイトであり、私はただのカラス研究家である。
虚しく疲労感だけが残る事件だったが、それ以来、里親Aとは一切かかわることもなく事件は終息した。
事件の後も私は里親募集を続け、これまでに1000名を超える人たちとメールのやりとりをしてきた。善良で素晴らしい人格者や、逆に救いようもないタイプの人間も多くいて、トラブルもそれなりに経験してきた。そのおかげで最近では、メールの文面だけで相手の人柄はだいたい掴めるようになったと思っていた。
だがしかし、先日はそんな自信を喪失させる事件が起きた。ここからは、保護主に聞き取った内容と私が独自に調べた内容を含めて書き起こす。
発端は一通の里親希望メールだった。
~ メールの一部を抜粋 ~
庭付き一軒家でカラス飼育経験があり、母は以前、外科の看護婦です 34歳男、両親と同居し3人家族 前にインコや鳩など飼ってましたが現在はペットはなし 母の友人が当ブログを観て可愛そうなので早々、引取り治療出来ないかと相談受付譲受け申請に至りました。 私含め家族全員、動物好きで、ぜひ世話をと期待致します。宜しくお願いいたします。
里親募集の応募者からは最初に、このように自己紹介や家庭環境などが送られてくる。
「母の友人が」という部分の意味が分からないが、善良そうな人物という印象だった。特に問題は無いと思い、この応募者と何度かやり取りしたあとに保護主に紹介した。普段はもっと飼育適正について詳しく質問するのだが、この時は少し急ぎの事情もあった。
当サイトの里親募集は、管理人の一次審査を通過すると次は保護主さんとの交渉があるため、一応、二重審査の体制となっているのだ。
そして、この応募者のカラスに対する熱意などが決め手となり、数日後にカラスは引き渡されることとなった。
引き渡しの当日、待ち合わせ場所に現れた応募者は、想像していたような人物とはまるで違っていた。34歳の男性などではなく、腰の曲がった老婆だったのだ。その老婆は全身から異臭を放ち、サイズの合わないサンダルからは素足がはみ出し、浮浪者のような雰囲気だったそうだ。
現れた応募者に困惑した保護主だったが、「母の友人が」という一文があったことを思い出した。また、悪い人ではなさそうなことと、治療できる人に託したいという事情もありカラスを渡した。
翌日には里親になった老婆から保護主へカラスの様子を伝える連絡があり、不安は消えつつあった。
数日後、その老婆は行きつけの動物病院でカラスの断翼手術をおこなうことにしたそうだ。動物治療の現場において、怪我をした翼を切断することはそれほど珍しいことではない。
しかし、カラスが退院することはなかった。
手術中に死んでしまったというのだ。
詳細は分からないので処置が不適切かどうかも判断はできない。だが、私はこの老婆の治療を急ぐ行動に、ふと一抹の不安がよぎった。
まさか、そんなはずはないと思ったが、私は念のため保護主さんに5年前に事件を起こした里親Aの本名、住所、電話番号を伝えて照合してもらった。
不安は的中した。
その老婆と里親Aの電話番号が一致したのだ。
私は愕然として崩れ落ちた。
そもそも最初にメールをくれた34歳男性なんて存在せず、家族構成もすべて嘘だったのだ。私はまんまと騙されたのだ。私の脳裏に5年前の事件が鮮明に蘇る。それはまるで、封じ込めたと思っていたモンスターが5年の時を超えて蘇ったかのようだ。いや、蘇ったのではない。そいつは私の知らないところで活動していたのだ。
私は急いで里親Aのこれまでの足跡をネット上に探した。
すると、里親Aの自宅は地元ではすでに有名な「カラス屋敷」とか「カラスの館」として知られていたのだ。
里親Aの家は地方都市の中心部に位置する広い敷地に建っている。その庭で里親Aは、毎日大量のエサをバラ撒いて街中のカラスを呼び寄せ、常におびただしい数のカラスが集合しているというのだ。その不気味な光景は住民たちから恐れられているらしい。
そして今も、室内で多数のカラスを飼っているというのだ。
次々と明るみになる衝撃の事実に、私は言葉を失った。
今回の件で私は心が折れたというか、自信が無くなったといったほうが合っていると思う。
以上が、里親募集にトドメを刺した出来事の顛末である。
このような詐欺行為をはたらく人物を野放しにはできない。この人物はまた同じことを繰り返す可能性があるため、ここで注意喚起したい。
以下、里親Aのツイッターから引用(ID:@epr9Ia77XIco4DP)
↓ ↓ ↓
以上、引用終わり
これは里親Aのツイッターのプロフィール画面である(2024.7.6時点)。そこに書かれた文言は、その意味が分かると恐ろしい。くれぐれも、この人物にカラスを渡さないよう注意してほしい。
ツイッターは鍵が掛かっていて内容が見えないが、里親Aがこのブログを知れば再び誹謗中傷を始める可能性もある。もしツイッターのフォロワーで内容を見られる人がいたら、私まで情報を送ってほしい。
2024年7月6日 公開