カラスを室内で飼育するにあたり、悩むのが飼育ケージである。 大柄で活発なカラスに対応する市販品は見当たらず、そうなると自作するしかない。 そこで今回は、室内に設置する大型のケージを作りながら紹介していこう。
ケージを設置する場所には、
「換気扇」「窓」「エアコン」が備わっていることが条件となる。
換気扇は後から設置することも可能であるが、 空気清浄機があれば必ずしも換気扇をつける必要はない。
さて、今回ケージを設置するのはこの屋根裏部屋。 私の書斎である。
部屋の奥には窓があり、その上に換気扇が備わっている。 あの辺りにケージを設置しよう。
しかし斜めの天井に合わせた設計は非常に面倒なので、 図面無しで現物合わせで組み立てることにする。
エアコンの風が直接当たるのを避けるために、仕切りの板を設置する。
板は、L字の金具で壁に固定する。
次に180cm×90cmの金網を取り付ける。 取り付けには電線用の取付金具を使うと便利。
この金網は本来はキッチンや倉庫の壁に設置して道具をぶら下げるためのものだが、 ケージの金網に流用するには最適である。
ホームセンターで5千円以下で購入できる。
横から見るとこんな状態。
奥から、板、金網、柱の順に連結していく。
そして腰板には、使わなくなったテーブルを流用することにした。
腰板がないとフンの臭いが拡散するので、これは取り付けた方が良い。
出入口はこちら。
先程の金網をもう一枚用意し、そのまま扉として利用することにする。
強度が低いが屋内なら問題はないだろう。
壁には防水のテーブルクロスを貼り付けた。
壁にフンが付着したら取るのが大変なのだ。
ここで重要なことだが、画鋲などで付けるのはダメ。
なぜならクロスの端がヒラヒラしている状態だと、カラスがクチバシで剥がしてしまうからだ。
そのためクロスの端を覆うように板を当てて貼り付ける。
これらの取り付けは釘ではなく木ネジを使用する。 木ネジの方が後で取り外すときに簡単だからである。
木ネジを多用するにあたり、電動ドライバーは必須となる。
窓枠の下にも防水クロスを貼る。
次に床の金網を作る。 材料はステンレスの金網とフレーム用の角材を用意した。
角材で金網をサンドイッチするように組み立てる。 ここで使う金網と木ネジはステンレスにしたほうが良い。 鉄製ではフンの影響で錆びてしまうからだ。
金網の下にはフンをキャッチするトレーを設置するのだが、 適切なサイズのトレーが売っていないので自作する。
用意したのはプラスティック製の段ボールのようなもの。
サイズは180cm×90cm。
ホームセンターで安く手に入るので消耗品として使用できる。
まず、カッターナイフで軽く切れ目を入れる。
すると切れ込みに沿って
「パキッ」と折れ曲がるので、これをトレーの形に折っていく。
フン受けトレーの出来上がり。
これを床に差し込むのだが、
その前に・・・。
トレーに犬用のトイレシートを敷き詰める。
最後に止まり木を設置するのだが、我が家のカラスたちは飛べないので止まり木は低く狭い間隔にする。
上下に止まり木を設置する場合は、下側の止まり木の位置をよく考える必要がある。
つまり、フンが落ちるところに物を置かない、ということだ。
床の金網は脱着式にする予定だったが、 組み立てた金網が想定以上に重くなったので跳ね上げ式に変更することにした。
このように壁と金網のフレームを蝶番で留める。
そして持ち上げる側のフレームには、このような金属の輪を取り付ける。
それを持ち上げて・・・。
壁に設置したフックに引っ掛けると・・・。
金網を起こした状態で固定できるのだ。
これで完成!!
ケージのサイズは幅90cm、奥行き160cm、高さ240cm。
簡単な構造ではあるが、現物合わせの作業は何度も微調整が必要なため、一日がかりの作業となった。
ケージを部屋の角に作ることで、壁2面と天井の製作が不要であり材料費も安上がりとなる。
ここまでの材料費は2万円以下に抑えられた。
さっそくカラスを入れてみた。
飛べないカラスならこれで十分な大きさである。
トイレシートと換気扇のおかげで臭いもほとんどなく快適だ。
もし臭いが気になるなら腰板をもっと高くし、さらに換気扇をサイズアップすると良い。
それでも臭いや騒音が気になる場合はガラス張りにするしかない。
その場合、規格品のガラス戸を組み合わせれば安く簡単に仕上がるだろう。
2019年7月13日公開