木々はすっかり葉を落とし、冬枯れの庭となった。
モンジロウの最近の昼食はシュロの葉ばかりだ。
久しぶりに現れたのはキツネのお母さんだ。
茶色の体毛が冬枯れの景色に溶け込み、保護色となっている。
夏までは親子で仲良く遊ぶ姿をみたものだが、いつからか子ギツネの姿を見なくなった。子ギツネはもうすぐ1歳になるので、親元から独立したのだろう。
お母さんは栄養状態が良くないのか、わき腹に円形脱毛症をつくっている。
こうして動物たちの子育てを見ていると、人間の子育てがいかに長い期間を要することかを実感する。
以前は18歳で一人前だったのが現在では大学進学率の向上にともない、一人前といえる年齢は22歳以降となった。まるで樹木のように年月を要するが、皆がこれでは生物的にみて少子化になるのも当たり前である。もっとも、いまの地球は人間が増えすぎて定員オーバーであるため、そういう点からみると正しい方向に進んでいるといえる。
さて、今年も三羽のヒナを巣立たせたハシボソ夫婦であったが、子ガラス三兄弟のうち一羽は早々に消え、一羽は秋に独立した。
そして今、お父さんを追って飛んで来たのが末っ子だ。
お父さんの機嫌を損ねないよう、慎重に顔色をうかがっている。
近づきすぎず、さりげなくお父さんの後を追う・・・。
疎ましく思われないよう控えめに振舞うことがポイントだ。
しかし、この瞬間だけはヒナの姿に戻ってしまう。
今年も親子で年を越すことになりそうだが、春までには強制的に独立させられるのだ。つまり、大好きなお父さんと一緒にいられるのもあとわずかである。
そんなことも知らず、今日もお父さんを追いかけるのであった。
<本日のオマケ>
~真夜中の鳥~
皆が寝静まった午前0時30分。エサ台に一羽の鳥がやって来た。この鳥は三年ほど前から冬になると時々写っている。
地面をめがけて急降下。
真夜中の庭で狩りをしているのだ。
何だ、この鳥は?
夜に活動しているからフクロウの仲間だろうが、この不鮮明な写真ではよくわからない。背中は褐色で腹は白色、顔面はデカくミミズクのような突起はない。ずんぐりした体形で大きさは鳩と同じくらい。
タヌキみたいに眼の周囲に模様がある。
この条件に当てはまるのは「コミミズク」かな?
2022年12月24日 公開