2019年元旦
朝焼けに照らされるハシボソ夫婦。
彼らには年越しなどという節目はないが、 街の静けさにいつもと違う何かを感じているはずだ。
年末、人々は正月に向けて慌ただしく準備をし、 そして部屋にこもり静かに新年を迎える。
冬眠に入るクマと似たようなものだ。
カラスたちにお年玉。
大好物の骨付きラム肉だ。
さっそく解体を始める。
あっという間に骨だけになった。
昨日 大晦日のこと
私は正月を快適に過ごすための、自分専用の座椅子を制作していた。
その時、何か懐かしい声を聴いたような、気のせいのような…。
ふり返ると・・・
ウッドデッキの下に猫がいる。
どうやらあの猫は私のことをずっと見ていたようだ。
どうしたのだろう?
体調が悪いのか微動だにしない。
あっ!!! オマエはっ!!
「ウシーッ!!」
「ワレ、生きとったんかい!?」
どこで暮らしていたのか? 実に二年ぶりに戻ってきた!
顔は白髪だらけになり炎症で目の周囲や首筋の皮膚がただれている。
体調が悪く苦しそうだ。
ところで突然の猫の登場なので意味が分からないかもしれない。
少し説明させてもらおう。
こいつは野良猫の「ウシ」。模様がウシに似ているからそのまま「ウシ」と名付けてやった。 彼はなぜか私のことを慕っていた。 いつも私の帰りを待っていたり、 休みの日には一緒に日曜大工をしたものだ。 ケンカが弱く、よく傷だらけになっていた。 最後は狸に襲われ、それ以降は行方不明となっていたのだ。
←これは二年以上前の写真
先ほどの画像を見て、
「目がただれて開かずにかわいそう」
と思うだろうが、そこは問題ない。
なぜなら彼は常時これだから。
目が開いているのかわからないくらい細いのが特徴である。
ウシはあれ以来、どこかに生活の拠点を移したのだろう。
だが、老いと病気で弱っているところに、 日曜大工の音を聞いて私のことを思い出したのか。
大晦日に突如現れたウシであった。
2019年1月1日公開