ハシボソ夫婦の子どもたちが巣立ったのは5月12日のことだ。池の周辺で子ガラスの甘えた声は聞こえてくるし、ヨロヨロと飛んでいる姿も遠くに見かけるので無事に過ごしていることは確かだ。
しかしここに来るのはハシボソのお父さんだけ。
縄張りが少し西の方にズレたこともあるが・・・、
子ガラスが来ない原因はこれだ。
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キツネの勢力が拡大し出現頻度が増えたのだ。
子ギツネも順調に育ち家族は4匹となった。
子ギツネ(右)は最近、庭で遊んでいるのをよく見かける。
しかしキツネは優秀なハンターなのだ。子ガラスが地面に落ちたらすぐに襲われるだろう。だからハシボソ夫婦は警戒して子ガラスを連れてこないのだ。
オオカミがいなくなった現在の日本では、森での立場は揺るぎないものだろう。
子ギツネはすっかり成長して体格は親と同じくらいになったが、毛並みがフワフワしているので容易に見分けられる。
表情もまだあどけなさを残している。
しかし、カラスを見つめる眼差しにハンターとしての素性が垣間見えるのだ。
無駄に穴を掘ったりして我が家の庭でやりたい放題だ。
ほのぼのとした風景に見えるが、ハシボソ夫婦にとっては非常に脅威である。
私はカラスの子育てを観察したいのに、カメラに収まるのはキツネばかりだ。
このままではカラスブログがキツネブログになりかねない。
6月24日
ついに子ガラスが庭先にやって来た。すでに巣立ちから43日が経過している。
子ガラスの兄弟はお父さんの後を追って来たが、木の茂みに身を潜めている。
卵黄を口いっぱいに頬張るお父さん。
そしてお父さんの後を追って子どもたちも飛んでいく。お父さんの指示にしっかりと従っているようだ。
今はまだ子どもたちの行動範囲を制御できているが、そこは好奇心旺盛な子ガラスだ。そのうち親のいうことも聞かなくなるだろう。
2022年7月3日 公開