管理人ブログ2024年12月21日 緊急! 都庁職員に拉致されたカラス

2024年12月18日

当サイトに送られてきたメールで、にわかに信じがたい事件が発覚した。これを書いている時点でまだ未解決事件である。

私のところに相談のメールが来たのは事件の日の夜だった。



<相談者からのメールの要約>

私の母が4年ほど前に、自宅敷地内で足を怪我して飛べなくなったカラスを保護した。カラスは回復せずに現在も飛べない状態だった。12月18日に突然、警察官二人と鳥獣保護員が自宅に押しかけてきてカラスと母を連行した。母は、正面と横向きの写真撮影と所持品検査、被疑者と書かれた部屋で2時間にも及ぶ取り調べを受け帰宅。カラスは専門の獣医の診察を受けるとかで返してもらえなかった。


ざっと、このような内容だった。

まるで中国のような人権無視の酷い内容であるため、当初はイタズラメールか、本当だとしたら警察に別件の目的があるのか、と疑ったほどだ。

事件翌日の12月19日午後、相談者から第二報のメールが来た。

警察官は「カラスは都庁に引き渡した。」というのだ。

そのメールを受け、私は急いで都庁の環境局鳥獣保護管理担当に電話した。電話に出た担当者N(女性)の話によると、最初に相談者から送られてきたメールの内容は紛れもない事実であり、現在、カラスは何らかの検査のために指定の動物病院に入れたというのだ。私は担当Nに対して「いったい何の権限があってそんなことをしているのか?」と問い詰めたところ、担当Nは鳥獣保護法の知識が全くないようで「だって、野生動物は飼ってはダメですから」というような答えしかなかった。確かに野鳥の飼育は登録制であるので無登録の場合は違法飼育となるが、カラスは登録制ではないので飼育は合法である(法律の詳細はページ下を参照)。それを担当Nは全く知らなかったのだ。私は担当Nに対して鳥獣保護法の説明をしたが「あー、へー、そーですかー、貴重なご意見を有難うございまーす。」という、人の話を全く聞かない舐めた態度だった。続けて担当Nは「これは警察からの依頼ですから返してほしければ警察と交渉してください。」ということだった。

私はすぐに警察に電話した。すると担当の警察官(巡査長)は事件があったことは認めるものの詳細は口外できないということだった。警察には固い守秘義務があり当事者と代理人弁護士以外には捜査情報は話さないので、これは仕方がない。しかし相談者に確認したところ、事件当日の警察によるカラスの押収には差し押さえ令状も無く、任意提出や所有権放棄の手続きも無かったそうだ。いくら警察でもそのようなことが許されるわけはなく、明らかな違法捜査である。しかも、この警察官は鳥獣保護法の「ちょ」の字も知らないような感じだった。警察官として、とてもこの法律を根拠に取締りができるような適格性は無いのに、思い付きの独断で捜査に乗り出したようだ。余談だが「巡査長」というのは会社でいうところの平社員である。

これまでに、カラスの飼育に対しては役所が調査することが多かったが、中には警察が介入した事例もあった。しかし警察は権利関係に敏感なので、いきなりカラスを押収する、などということはこれまでに一度も無く、今回の件は前代未聞である。たいていの警察官は自分で判断できずに本庁等に問合せ、カラスの飼育が摘発できないことを知らされて引き下がるのだ。

翌日、その警察官は事態のヤバさに気が付いたようだ。

そしてなんとっ!!

警察官は相談者に対して「その件はもう警察はノータッチだから都庁に言ってくれ」と、自分らが違法にカラスを押収しておいて、全て都庁に責任転嫁したのだ。だったら署への連行と取り調べは何だったんだよ!? 許しがたきボンクラ巡査長だが、警察をこれ以上刺激するとどんな嫌がらせをしてくるか分からないので、腹立たしくも警察への責任追及は中止することにした。

さて、警察が無関係を宣言したからには相手は都庁だけとなった。事件担当の警察官が「警察はもう関係ない」と宣言しているのだから、その証拠品たるカラスは当然、飼い主に返却しなければいけないことは当たり前である。都庁は警察にハシゴを外された状態となったのだ。

これを受けて相談者は改めて都庁の担当Nに電話したが「今、法律を調べているから、それから回答する」「いつになるかは分からない」などと答えて担当Nは一方的に電話をガチャギリしたそうだ。担当Nは自分の仕事の法的根拠も知らないマヌケな公務員なのだ。続いて私も担当Nに電話し「あなたの行為は違法ですよ」「すぐにカラスを返してください。」と指摘したが「あー、はー、分かりましたー、ご意見有難うございますー、ガチャ、」という状態だった。

担当Nは話をまったく聞かないというか、理解できないタイプの人間のため会話はまったくかみ合わず、音声案内みたいに同じ定型文句を繰り返すばかりで最後は電話をガチャギリするのだ。自分が不利な状況になると思考停止するタイプの人間がいるが、まさにそれである。私が「もしカラスを殺処分したらこの件は告発します」と警告したときには、担当Nは「それは我々への脅迫ですかー??」と、人をおちょくったような発言をした。

鳥獣保護担当たる公務員が鳥獣保護法を全く理解しておらず、自らの職務権限の範囲も把握できていないという信じがたい状態である。そして、カラスは人質状態で取り返そうにも都庁の壁は厚く面会も許されないのだ。無能公務員が権力を行使する恐ろしさを痛感した。これは公務員による職権濫用ではないのか?

この他、担当Nから相談者に対して次のような問題発言があったそうだ。

「足の悪いカラスを生かしておくことはカラスにとって苦痛でしかない。」

「野生に帰して他の動物に食べられることで環境が成り立っている。」

都庁の公務員として信じられないような不適切発言である。いったい、どういう生き方をすればそのような発言ができるのか、はらわたが煮えくり返るほどである。

担当Nでは話にならないので、鳥獣保護法を所管する環境省に電話して環境省として今回の法解釈を聞いた。

電話に出た環境省の役人からは、まず、そのカラスの救護(法律上の捕獲)についてどうのこうの言われたが、捕獲について適法かどうかは詳細が分からないので置いておき「仮に違法捕獲だとしてもカラスを飼育していること自体は違法ではない」。都庁が飼育者からカラスを押収している状態については「鳥獣保護法の措置命令の要件を逸脱している」「その状況で鳥獣の押収はまったく必要ないですね」という回答だった。これについては環境省が作成した鳥獣保護法の解説書にそのまま記載があるので、環境省としてはそう答える以外にないだろう。しかし鳥獣保護法の運用権限は自治体に移譲しているから、環境省として担当Nに対して指導をすることはできない、ということだった。それなら担当Nに対して「法を逸脱していることを指摘してほしい」と、お願いしたところ、環境省から担当Nに電話で指摘することはしてくれた。

環境省からの指摘を事件解決の切り札と期待していたが、担当Nはそれでも頑なに動かなかった。法律を作った環境省から間違いを指摘されても動じないほどのメンタルを持っていたのだ。これほど話の通じない人間は見たことが無い。

相談者と私は週末までにカラスを取り返すつもりで奮闘したが、担当Nにのらりくらりと逃げられ、ついに今日の時点でカラスはまだ拉致されたままの状態である。拉致されたカラスが無事であるかの確認もできない状態だ。もしかしてすでにカラスを殺してしまい、その事を隠しているのでは? と勘繰ってしまうくらいだ。さすがにそんなバカなことは無いと思うが、もし、そうだとしたらそんな糞野郎の名前は「担当N」ではなく「実名」に切り替え、あらゆる合法的な手段で追及する。

困ったことに、都庁には職員の不正を取り締まる部署が実質的に存在しないようだ。担当Nの暴走を止める方法はもはや裁判しかないように思えるが、そんな悠長なことをしていたらカラスが死んでしまうかもしれない。なぜなら、成鳥のカラスはストレスに弱く、飼い主が替わっただけでストレス死することもあるからだ。また、面倒に感じた担当Nがいつカラスの殺処分の指示を出すかもわからない。事は一刻を争う事態である。

土曜、日曜は役所は閉鎖しているので、とりあえず今日はこのブログを公開することで、都庁においてこのような恐ろしい事件が進行中であることを伝えることしかできない。


<カラス愛好家の皆さんにお願い>

この件はなるべく多くの人に知ってもらいたく、情報の拡散に協力できる人にはぜひお願いします。しかし都庁への電凸など、都庁の業務を妨げる行為は謹んでください。どなたか、都庁職員の不正を追及する方法に詳しい方がいましたらご意見ください。

もしこの件が長引き、裁判での解決しかないという判断になった場合、相談者本人において訴訟費用の寄付を募ることになるかもしれません。

なお、当サイトへの寄付や寄贈などは全てお断りします。理由は、弁護士資格を持たない第三者が対価や利益を目的とした交渉を行うことが法で禁じられているためです。


付録: 法律の解説 <都庁の担当Nによる違法行為>

事件の発端となった警察の捜査が違法であることは、先に述べたとおりである。

次に都庁の担当Nにおける問題点を指摘する。

まず、カラスを飼育していること自体を罪に問える法律は存在しない。いわゆる「違法飼育」というのは、野鳥を役所に登録せずに飼育している状態である。しかし鳥獣保護法では狩猟鳥獣を登録の対象外としており、飼育に対しての規制はしていない。例え違法捕獲の個体だったとしても、問える罪状は違法捕獲だけであり違法飼育の罪にはならない(鳥獣保護管理法の解説p.172)。担当Nは、このような重要な点を理解していない。

今回の事件において、都庁職員が狩猟鳥獣であるカラスを押収できる法的根拠は唯一、鳥獣保護法第10条「許可に係る措置命令等」のみである。これは令状を不要とし、対象者に口頭で伝えるだけで効力を発揮できる強力な権限である。

しかし、強力な権限であるがゆえにこの措置命令は無条件に発令できるものではなく、下記の条件により厳しく制限されている。

(1)鳥獣の保護のため必要なとき。

(2)第二種特定鳥獣管理計画のため必要があるとき。

(3)捕獲に際し、住民の安全の確保又は指定区域の静穏の保持のため必要があるとき。

分かりにくいので説明すると(2)はイノシシやシカなど第二種特定鳥獣に指定された動物を対象としているので、カラスは無関係だ。(3)は猛獣などを想定しているのでカラスは関係ない。カラスに適用できるとすれば(1)しかないが、これは違法に捕獲された動物の命を救うことが目的のため、傷病救護された動物には適用できない。ましてや飼い主から押収して殺処分など許される訳がない。これらの条件以外にも環境省による法律の解説本の中では、この命令の発令には極めて慎重になるよう促されている。訴訟に発展する可能性が高いためだ。また、違法性の判断には高度な知識を要するため、発令できる職員の人選は慎重に検討するよう、環境省は法律の解説書で示している(鳥獣保護管理法の解説p.82)。

担当Nが自らの法的権限を誤解している原因はおそらく、鳥獣保護法第22条の措置命令の中で「無登録飼養の鳥獣を押収できる」となっている部分だ。よくTVニュースでメジロの違法飼育の摘発現場で鳥たちが押収されるシーンを見るが、あれはこの条文を根拠としている。しかし、この条文には命令の対象動物を「狩猟鳥獣」と明記されているため、狩猟鳥獣であるカラスに対して発令することは法的に不可能である。それとは別に、警察による令状を持った差し押さえの場合もあるが、それは警察による証拠品の確保としてだ。当然、都庁職員は令状による差し押さえの権限を有していない。

つまり、今回の事件はどれにも当てはまらず、押収自体が都庁による法を逸脱した不法な行為ということだ。法律がこのようになっているので、言い訳の余地はないだろう。

もう一つ、担当Nが見落としている重要な法律違反がある。

担当Nは、おそらく「所有権」という概念をまったく理解していないようだ。民法においては野生動物は捕獲した人が「所有権」を有する。

つまり、鳥獣保護法で定められた権限を逸脱してカラスを押収している状態は、他者の所有物を不法に占有しているという明確な違法行為である。しかも今回は4年も飼育して家族同然のペットであるため、法律以前の倫理的な問題も当然あるだろう。

担当Nは「今から法律を調べます」とかトボケたことを言っているが、公務員たる者がとんでもなく法を逸脱し、都民の権利を著しく侵害しているという事実に早く気が付くべきだ。


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2024年12月21日 公開

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