2017.1.3
年末に東屋としての姿を見せた、制作中のカラス小屋。
しかし、当初、思い描いていた「寺のお堂」とは程遠い、
「道の駅の便所」のような佇まいになってしまったのだった。
↓これまでの行程
カラス小屋の制作2017
重厚感を出すためには、濃い色にした方が良いだろう。
黒も考えたが、そもそもカラスが黒色なので、それは避けて、
ウォルナットにすることにした。
組み立て後に垂木を塗るのは非常に面倒だ。
最初から塗ると分かっていれば組む前に塗っていたのだが・・・。
ところで、塗装には大切なコツがあり、
それは「説明書の通り」に塗ることだ。
何を分かり切ったことを、と言われそうだが、
皆さん、意外とこれができないのだ。
そう、薄く広く、焦って厚塗りすることのないように。
一日で塗装完了。 ダークな感じに仕上がり、とりあえず「道の駅の公衆便所」は脱したかな、と思う。
塗ったおかげで、落ち着いた雰囲気にはなったが、
逆に面白味は無くなった。
塗装はしない方が、木そのものの香りや色の変化を楽しめるのだが、
やはり、劣化を考えると塗った方が良いのだろう。
天井もご覧のとおりに。
積年の渋みが表現できたような気がする。
最後の方に塗った部分は、何だかまだらになっている。 「今日中に仕上げたい」という邪念が心を乱し、 説明書から逸脱させるのだ。
年末から連日、作業をしていると、 タヌキが顔を見せるようになった。 このタヌキはまだ子供のようだが、 全身の毛が抜けて、皮膚が乾燥している。 おそらく疥癬症が進行していて、 長くは生きられないだろう。
呼び止めると振り向き、近くに寄ってくる。子供なので警戒心が薄いのだろう。
あるいは誰かが餌付けしたのか?
とりあえずカラス用のハンバーグを与えた。
だが、今更、栄養をとったところで焼け石に水だろう。
この病気はダニが原因で起こり、
おそらく想像を超える痒さと苦痛を味わっているのだろう。
なぜこんな残酷なことになるのか。
何とかしてやりたいが、何もできない。
ただ、死を待つのみである。
せめて最後に旨いものを食わせてやろう。
2017年1月3日公開