いよいよ地面の雑草が枯れてヤギにとっては面白くない季節となったが、まだ木々は葉を残している。
この時期に枝を剪定してモンジロウに食わせるのが我が家の恒例行事となった。庭木の手入れとエサの調達を兼ねているのだ。
どれにしようかな?
一本だけ飛びぬけて成長しているハゼノキにしよう。
ところで、いつからこんなデカい木があったっけ?
時間を巻き戻してみよう。
~2019年6月~
今から三年前の写真だが、あの木は見あたらない。
この頃はまだ茂みに埋もれていたのだろうか?
~2020年8月~
ところが一年後、突如として姿を現した。
~2021年9月~
さらに一年後には周囲の木々を押しのけて急成長し、屋根に届きそうな勢いになっている。
驚異的な成長速度だ。もし人類が地球から消えたとすると、10年もすれば森は息を吹き返し街は緑に覆われるのだろう。我々動物の繁栄は植物の繁殖力に支えられているのだと実感する。
さて、ハゼノキの生命力に感心したところで、こいつを頂くとしよう。
モンジロウも期待している。
ヤギはウルシとかハゼノキの葉が大好物なのだ。
人間はかぶれる心配があるがヤギは問題ないらしい。
これだけあれば今日の食事量は満足だろう。
しばらくして様子を見ると、葉っぱを食べ終えないうちに枝をかじり始めた。
樹皮なんて飢え死に寸前の最後の非常食くらいに思っていたが、意外と好物らしい。
人間には到底まねのできない食事風景である。かぶれた経験のある人はこれを見ただけで唇が痒くなるのではないか。
翌朝
これが前日のモンジロウの作品である。
まるで職人が削ったような仕上げだ。
こんなのを食べて生きていけるのなら、植物がある限りヤギは繁栄するのだろう。ヤギの生命力は実に凄まじい。
そういえばこのハゼノキの幹には窪みがあるが、これもおそらく幼木のころにモンジロウにかじられたのだろう。それでも成長を続ける生命力とヤギの粗食ぶりには感心する。
<本日のオマケ>
~ハゼノキの逆襲~
ハゼノキを与えた時の様子を後日、エサ台のカメラで確認してみた。すると、ハゼノキの枝がモンジロウに付いてまわる様子が写っていた。どうやら私が外出した後にリードが枝に絡まったようだ。
まるで逆襲するかのようにモンジロウを追う。
「びぇ~ん、なんとかしてぇ~」
逃げるほどに距離を詰めてくる。
そしてハゼノキに付きまとわれながら、
ときにハゼノキを食べながら日は暮れた。
暗くなって帰宅した私に救助されたが、
ハゼノキとの格闘は半日も続いたようだ。
2022年11月20日 公開