ハシボソの子どもたちが巣立ってからもうすぐ一ヶ月になるが、我が家に来るのはハシボソのお父さんだけ。子ガラスたちは池の南岸の方でお父さんの帰りを待っているのだ。
子ガラスたちはヒナのころに比べて食欲は増し、お父さんは大忙しだ。カラスの子育ては巣立った後が本番といってもいいだろう。
お父さんは朝一番にエサ台に来る。
エサ台に何もないと、トボトボと引き返し森に採餌に向かう。
だが、しかし・・・
森に帰ったと思ったら、カラス小屋の窓際に張り付いているお父さんを見た。
何をやっているんだ?
よくみると、うちのアディが自分の朝食をお父さんに分けている。
この行動はアディが若いころによく見られたが、いまだに関係は続いていたのだ。
アディからもらった朝食を子ガラスの元に運ぶ・・・。
何とも不思議な関係である。
そして本日、6月11日の早朝
雨が降る中、お父さんを追って一羽の子ガラスがやって来た。
大きく口を開けて「ビャー、ビャー」と甘えた声を出している。
おっ、もう一羽の兄弟も来たぞ。
どちらも立派な体格に成長している。
三羽目の兄弟と、あとお母さんの姿もないが、おそらく末っ子はお母さんと一緒にいるのだろう。
元気いっぱいの子ガラスたち。
今年も賑やかな夏になりそうだ。
<本日のオマケ>
この、変な模様の小鳥は5月上旬から定点カメラに頻繁に写っている。これはシジュウカラの雄だ。特に珍しいものではなく、探せばその辺に普通にいる野鳥である。
彼は毎朝、カラスが去った後のエサ台にやって来ては食べ残しを持っていく。今は子育てで忙しいのだろう。これは5月14日の様子だ。
カラスバーグ、卵黄、煮干しなど何でも食べるところをみると、スズメ並みに雑食のようだ。シジュウカラはこの庭に多くいるが、エサ台に来るのは彼だけだ。カラスがここで食べているのを見て学習したのだろう。
5月15日朝、この日はカラスよりも先にエサ台に来た。
エサ台には巨大な卵黄が丸ごと転がっているが・・・。
「さて、どうする?」
分解して小分けに運ぶか、あるいは何か方法は・・・、
手に余る大物を前に思案に暮れるシジュウカラ。
そのとき・・・、
「ズバ―ッ」と登場したのはハシボソのお父さん。
シジュウカラを軽く蹴散らした。
改めてカラスの大きさを実感する。
森の中ではほぼ無敵の存在だろう。
5月31日、いつも通り彼はやって来た。
おや? もう一羽連れて来た。
これは巣立ったばかりのヒナだ。
彼もまた、子育てに奔走していたのだ。
2023年6月11日 公開