ここは我が家に隣接する市有地の森だが、だれも管理する人もなく行政もほったらかしであるため、私がボランティアを申し出て清掃や管理をしている。
数年前までは荒れ果てた竹藪だったが、私の努力により昔の雑木林に戻りつつある。
竹藪の話をすると長くなるのでまたの機会にしよう。
画像の左に道があるように見えるが、この部分は本来は川なのだ。雨が降らない日が続くとこのように水無川になる。
ちなみに、雨が降るとこんな状態になる。
だから、しばらく雨が降らず川底が干上がった今が整備のチャンスなのだ。
小学校のころ授業で習ったので知っていると思うが、川は放置するとS字型に削れるのだ。この場所は土地が柔らかく、その現象が顕著に見られる。
画像に元の川の位置を入れてみた。私が手作業で掘って現在の位置に戻したのである。
以前は私もこの川を放置していたのだが、その間に水流は木をなぎ倒しながら斜面を削っていった。地面には3年前に倒れた木があるが、あれが倒れた時に私は川のヤバさに気が付いた。
この木もあと数年遅かったら倒れていただろう。こんな小さな川でも水の浸食は恐ろしいものだ。
ついでにゴミ拾いもする。森のゴミ拾いも私の仕事なのだ。
川底を掘ると時々、汚泥の中から昔の遺物が出現する。
左から「アンバサ」「アクエリアス」「茶流彩彩」、これらは90年代の製品だ。
懐かしいなぁ、特にアンバサはよく憶えている。30年前に誰かがポイ捨てした空き缶が今こうして時空を超え、2023年にタイムスリップしたかのようだ。
森の中ではマヨネーズの容器が多く見つかる。
これは誰かがここでマヨネーズを食べたわけではない。これらは全てハシブトガラスの仕業なのだ。ハシブトガラスがゴミ捨て場からマヨネーズの容器を見つけては森に持ち帰り、容器に残るマヨネーズを舐めまわした残骸である。
これはバターの容器だ。これもハシブトガラスの好物。
きれいに完食したようだ。
わずかな時間でゴミ袋が満タンになったが、捨てられている中で多いのはペットボトル、コンビニのレジ袋、菓子袋である。これらは誰かがポイ捨てしたものが上流から流れてきたり風で飛んできたりするのだ。
マナーが悪い人が多いなぁと、つくづく思う。
「日本人はマナーが良い!」「サッカーの試合でもゴミ拾ってるしっ!」なんて聞くけど、そんなのが幻想だということはボランティア経験者は皆知っている。誰も見ていないと捨てちゃう人がけっこういて、それが意外と普通の人だったりするのだ。ゴミを散らかすという意味ではカラスと同レベルというか、環境への影響を考えればカラスより酷いと思う。
現在、レジ袋などのプラ製品が川を経由し海に排出されることが問題になっているが、それはプラ製品が悪いのではなく捨てる人が悪いのである。法律でプラ製品を規制するよりも、ゴミのポイ捨ての罰則強化と啓発活動に注力した方がどれだけ効果的かと思う。
2023年1月15日 公開