鉄塔に巣を作り始めたハシボソの夫婦。 巣の位置を決めてからは猛烈な勢いで造り続け、3月4日には巣の形が出来上がっていた。
この日は時折、台風並みの突風が吹いていた。 ハシボソのお母さんは突風の中、風を読みながら巣に到着。 風に押されて体が斜めになっているが、巣はビクともしない。 枝が少し垂れているが、この程度なら危険はないだろう。
それにしても彼らの巣作りの技術はたいしたものだ。 カラスたちは誰に教わることもなくこれができるのだ。 人間なんて、家を造るにはまず職人として数年は修業しないといけないのに。
3月7日
巣の内装材を探しているのか、夫婦そろって地面をウロウロしている。
ちょっと休憩。
この水場は野良猫たちのために用意したものだが、 ハシボソたちもこの水をよく飲んでいる。
池の水がおいしくないのだろう。
うまそうに水を飲むハシボソのお母さん。
その後、やって来たのは野良猫のボス。
3月8日
朝、いつものようにハシボソの家族がやって来た。
これは子ガラスだ。
もう「子ガラス」という呼び方にも違和感があるが、 他に呼び方が思い浮かばないので仕方ない。
エサ台のお父さんの様子をうかがっている。
子ガラスには、ある変化が表れた。
口の中をよく見てほしい。
そう、黒くなってきたのだ。 カラスの幼鳥は口の中が赤いのだが、それは1歳になるころに黒くなる。 長期間かけてゆっくりと黒くなるのではなく、 赤色が徐々に薄くなったかと思うと、ある時から急激に黒くなるのだ。
卵黄をくわえて飛び立つお父さん。
どうする?
「あとを追うのだ!」
枝にとまるお父さんと子ガラス。
このカラスの親子はいったいどうなるのか?
2019年3月16日公開