カラスブログ2022年8月14日 カラスのカーくん

カラス

これは私の書斎の一部を仕切ってカラス小屋にしたものだが、これまでほとんど使っていなかった。

今、小屋の中に一羽のカラスが入っているが、これは保護主さんから一時的に預かっている子ガラスだ。なんでも、ペット不可のアパートで内緒でカラスを飼っていたところを隣人にみつかり騒動になったそうだ。

「このままでは自分が部屋を追い出される。」ということで急遽、私がカラスを預かり、里親募集をすることになったのだ。


カラス

名前は「カーくん」。保護主さんは在宅ワークだったので朝から晩までカーくんと一緒に暮らしていたそうだ。おかげで、べったりと人間に馴れてしまっている。


カラス

カラスの名前といえば「カー子」とか「カー君」など、見た目そのままに名付けられていることが多いが、ネーミングセンスの問題ではない。カラスを保護した人の多くは元気になったら放鳥するつもりで、あえて愛着を持たないような名前をつけるものだ。


カラス

カーくんは巣立ちの際に左足を骨折し保護されたのだが、腕利きの獣医さんの処置により今は歩けるまでに回復している。

「じゃあ、放鳥すれば?」と、思うかもしれないがそう簡単ではない。放鳥の訓練をする環境もないし、そもそも正常に飛べるのかも分からない。田舎であれば外で自由にさせている内に自立心が芽生えて野生に戻ることもあるが、都市部ではそれも難しい。その内に人間にべったりと馴れてしまい放鳥できるような状態ではなくなるのだ。


カラス

たしかに保護された野鳥は放鳥することが理想であるが、カラスの場合はそうとも言えない事情があるのだ。なぜなら、行政はカラスの数を減らすために罠や猟銃などで大量に駆除しているのだが、人に育てられたカラスは警戒心が薄いため罠に掛かるリスクが極めて高い。そもそも、行政が一羽でもカラスを減らそうとしているのにカラスを放鳥してどうするよ? と、いうことだ。

「じゃあ、最初から保護するなよ。」という声が聞こえてきそうだが、カラスを保護する人の多くは元々カラスが好きな人ではない。目の前で消え行きそうな命を前に、衝動的に手を差し伸べるのである。


カラス

さて、実際にこの小屋を使ってみると、いくつかの問題点が見えてきた。まず、この小屋は奥の掃除がしにくいのだ。あと、カラスの羽毛やフケが部屋中に飛び散り不衛生。そして、水浴びすることを想定していなかったのだ。

かといって、外のカラス小屋はアディとバン君の二羽で定員いっぱい。


カラス

もしここにカーくんを入れたら間違いなく争いが勃発するだろう。


さっそく、飼育環境の改善に取り組む。

カラス

まずは小屋を撤去。


カラス

次に用意したのは蚊帳(かや)。カーくんの保護主さんは屋外で日光浴をさせるときに蚊帳を使っていたそうだ。それなら室内に蚊帳を置いてはどうかと思いついた。

カラスを室内で自由に飛ばしている人もいるが、私はそこまでカラスに寛容ではない。カラスのスペースと自分のスペースはキッチリと分けたいのだ。


カラス

フンの掃除がしやすいように床にシートを敷き詰めた。


カラス

蚊帳のサイズは三畳くらいあるため部屋の半分がカラスのスペースになった。私の居住スペースが極端に狭くなったが、これも里親が見つかるまでの辛抱だ。


カラス

蚊帳の中にケージを入れ、外出時はケージの中で過ごしてもらう。

水浴びができるように簡易のプールを置いてタライに水を張った。


カラス

久しぶりの水浴びだ。


カラス

バシャバシャと豪快に水しぶきが跳ねるが、プールがそれを受け止めてくれる。


カラス

水浴びの後は羽を広げて毛づくろい。


カラス

親鳥に教えてもらったわけでもないのに、ちゃんと羽の手入れができる。


カラス

カーくんは人間に馴れているが、躾(しつけ)はしていないのでワガママ放題だ。


カラス

放鳥はしないという方針になったので、飼い鳥としての訓練を開始する。


カラス

犬のトレーニングとやり方は同じだが、カラスの方が躾は簡単。

二日間の訓練により、ケージの中に自分から戻ることを覚えた。


カラス

応募を待っています!


[2022.9.3 追記]

里親が決まりました。ご応募いただきありがとうございました。


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2022年9月3 追記

2022年8月14 公開

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