カラスを飼育していると悩むのが毎日の食事である。 グルメな彼らが飽きないようなメニューをいつも考えている。
だが。カラスが好むものだけを与えていては栄養が偏ってしまう。 肉や魚だけではなく野菜も食べさせよう。
我が家のカラスの主食はこのカラスバーグである。
一回に与える量は約50g。
作り方は簡単。
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これを一日三回以上与えるので、合計150gになる。
カラスの体重が600gとすると、体重の2割以上を一日で食べることになる。
重さを人間に換算すると一日で15kgも食べることになるので、 それを考えると大食いである。
そして難しいのは食材選び。
野生のカラスが食べているものは、生肉、昆虫、木の実などである。
だから肉だけを食べさせるのは栄養が偏る可能性がある。
では、何を入れようか?
こういう時はカラスに聞いてみるのが得策だ。
とりあえず、ニンジン、カボチャ、ブロッコリーを蒸したものを用意した。
ちなみに今、アディはかなり空腹である。
空腹にしないと野菜なんて食べないからだ。
すると、いきなりカボチャを掴んで放り投げた。
「ごはんの時間だと思って駆けつけたのにコレかよ!」
それはそうだ。
嫌いなのは無理もない。
野生のカラスはカボチャやニンジンを食べないからだ。
だんだんイライラしてきたようだ。
今度は静かにブロッコリーを拾い上げた。
食べるのか?
「ポイっ」と落とした。
カラスにとって野菜はそこらに生えている雑草と同じ。
「こんなものが食えるか!」
「はやくごはんをよこせ!」
と、言わんばかりの態度だ。
アディはついにキレた。
私の手から紙皿を取り上げ二つに裂き、放り投げた。
まさにちゃぶ台返し。
空腹時のカラスは気性が荒いのだ。
だが、しばらくして様子を見に来たところ、 床に落ちたニンジンを拾い、水で洗っている。
それをくわえて見せに来た。
鮮やかな色つやに興味があるのだろう。
どうやらニンジンを食べ物だとは認識していないようだ。
いつものオモチャ置き場にニンジンを収納したアディ。
確かに自然界のカラスが根菜を食べるはずもない。
思えば、カラスがゴミ捨て場を荒らした後に残っているのは大根やニンジンだ。
野菜が嫌いだということはよく分かった。
しかたが無い。 栄養価の高い野菜を私がチョイスして細かく刻んでハンバーグに混ぜ込むことにしよう。
2018年10月14日公開