秋雨の季節がやっと終わったと思ったら急に冷え込む今日この頃。 秋の快適な期間がほとんど無いままに真冬へと突入しそうだ。
冬は極寒、夏は灼熱、そして近年の秋は集中豪雨ときたもんだ。 快適な日は三日も続くことは無い。 日本は水と緑に恵まれた豊かな国だが、快適とは程遠い環境である。
今年は庭の柿の木が豊作だ。
昨年はほとんど実を付けなかった反動なのか、
今年は収穫しきれないほど実った。
余って熟した柿を鳥や狸が食べに来る。
この秋から我が家に居ついたこの三毛猫だが、 だんだんと図々しさが増してきた。 朝からこの場所にスタンバイして大きな声で朝食を要求する。
野良猫にとって図々しさは長生きの秘訣である。 遠慮などしていては生き残れないのだ。
私がカラスの世話をしているときも鳴き声を上げて呼びに来る。
それにしてもブサイクな三毛猫だ。
だが、よく見ると愛嬌のある顔をしている。
鼻の周りの模様がブサイクに見せているのだろう。
ハシボソの家族はというと、 最近は子ガラスを追い払うのを諦めたようだ。
親子三羽で一緒にいる姿を頻繁に目にするようになった。 長男は完全に独り立ちしたのか、以降、まったく見ることはなく、ここにいるのは末っ子だ。
ハシボソのお父さんが時々こうして子ガラスを追い立てるが・・・。
子ガラスは直ぐに戻ってくる。
「ボクは絶対にお母さんと一緒にいるんだ!」という強い意志が伝わってくるが、 こいつも相当図太い神経の持ち主である。
カラスにとっても図太さは長生きの秘訣なのだ。
早朝、エサ台にエサを置くと、三羽で飛んで来る。
まず最初に現れるのはこのお父さんだ。 彼は体格も立派で顔つきも精悍である。 カラス界のイケメンといったところか。
だが、このイケメンな風貌とは裏腹に彼はセコい性格の持ち主である。
とろりと半熟に仕上げた卵黄は彼の大好物だ。
ものすごい威圧感を放ち、他の家族を寄せ付けず卵黄を独り占めするお父さん。
子育ての季節は家族への配慮も見られたが、 それ以外の彼は基本的に自己中心的である。
その間、お母さんと子ガラスは木の上で見ているだけ。 右のクチバシの長い方が子ガラスだ。 一ヵ月前と比べると顔つきが大人になり、もう立派なカラスになっている。
そして左がお母さん。 このお母さんはとても優しい性格である。しかしそれが子ガラスの独り立ちを遅らせているのだ。
自分だけ食事を済ませて満足し、ゆっくりと立ち去るお父さん。 その背中からはセコさが滲みだす。 イケメンにロクな奴がいないのはカラスの世界も同じ。
別の日の監視カメラには、このお父さんの「自己中心的かつ亭主関白」ぶりを如実に捉えた映像が残っていた。
エサ台に止まっているのはお母さん。 ドッグフードを食べている。
続いて子ガラスがやって来た。
特に争うことなく分け合っているようだ。
遅れてお父さんが登場!
「グイッ」と、妻を押しのけ割って入る。
そして何と!
「えーい、どけっ!」と、ばかりに妻を足蹴にしたではないか!
さらに体を押し付けて圧迫するお父さん。
その隙にドッグフードをむさぼる子ガラス。
エサを独り占めしたいお父さん、
今度は全力で妻を蹴り飛ばす!
自分よりも先に食事をはじめていた妻にカッとなったのだろう。
昭和の頑固おやじのようなカラスだ。
理不尽な亭主関白ぶりに家族はみな委縮してしまった。
お母さんは斜めになりながらの食事だ。
だが、こんなお父さんにも頼もしい一面がある。
縄張りに侵入するカラスや鷹を排除するのはお父さんの役目だ。
また、ごく稀にではあるが愛妻家の側面を見せることもある。
カラスの夫婦は仲が良いと思われているが、 よく観察すると夫婦関係には明確な上下関係が存在する。 これはカラスに限らず、自然界の動物において全く対等な関係など成り立たないのだ。 人間社会もまた同じ。家族や友人の間にも見えない力関係は必ず存在する。
2017年11月19日公開