この数日が暑さのピークだろうか、連日の40℃越えにも体が慣れてきた気がする。
それよりも最近、この地域では雨がほとんど降っていない。最後にまとまった雨が降ったのは7月25日だったから、もう二週間以上も降っていないのだ。
暑さと乾燥のおかげで雑草も枯れはじめて、地面に茶色が目立つようになった。こうなると困るのはモンジロウである。
草が足りないので、最近は他所で刈ってきた雑草をモンジロウに与えている。ヤギのために私が他所で草刈りをするという、泣きたくなるような状況だ。
草が少ないせいでモンジロウは少し痩せた。そして体毛は完全な夏毛になり、まるで馬のように滑らかな毛並みだ。
だからといって、馬のような見栄えの良さは無い。
最近は隣のハシブトの子どもが頻繁に遊びに来るようになった。
この子ガラスは警戒心が強いようで、エサ台の煮干しを疑いの眼で睨んでいる。
「この怪しげな魚を食べても大丈夫か?」
様々な角度から検証している。
考えること2分間。
「あっ!」
考えている内にもう一羽の兄弟が来て、煮干しを拾い上げた。
そして次々と煮干しを口に放り込む。
その様子をただ見ているだけのハシブトくん。
兄弟でここまで性格が違うものなのだ。
残りカスを慎重に拾って食べるのであった・・・。
ハシブトの子どもたちは警戒心が強く、私が窓越しにカメラを構えただけで瞬時に逃げ去るのだ。活発に遊んでいる姿を撮りたいのだが、なかなか難しい。だから定点カメラが頼りだ。
私が出かけた後・・・。
一羽のハシブトが手すりにとまり、中の様子をうかがっている。
おそらく警戒心の薄い方の子ガラスだろう。
「あっ、降りてきた。」
普通にウッドデッキに降りてきたが、ここに足を踏み入れたカラスは彼が初めてだ。
少しずつモンジロウに近づいてくるぞ。
いま、モンジロウはカラスと目が合ったと思うが、追い払う様子もない。
それどころか来客を迎えるような感じだ。
まったくの役立たずだ。
モンジロウが自分の場所を譲ると、堤防決壊とばかりに他の兄弟もなだれ込んできた。ハシブトの子どもは二羽だと思っていたが三羽いたようだ。
実に大胆だが、子ガラスならではの冒険心だ。
カラスたちがモンジロウを囲んでいるが、よく見るとカラスたちはヤギのフンを食べている。
ヤギが草を食べた消化物をカラスが食べるという、究極のリサイクルだ。他の動物にはとてもマネできない驚異的な雑食性こそが、カラスの繁栄の理由なのだ。なんだかカラスとヤギと草だけで生態系が成り立ちそうだ。
図々しさと雑食ぶりは分かったが、これ以上、ハシブトたちの侵略は許さんぞ!
そしてついに・・・。
いつものように二羽の子どもたちを連れて来たハシボソのお父さん。しかし、なんだか毛色の違うヤツが混ざっているような?
これはいつものハシボソの子ども。
もう一方は・・・?
「あっ! こっ、これはっ!?」
「ハシブトの子どもぉ!!」
しれっと紛れ込んで、あわよくば一緒に朝食をいただこうという図々しさ。
「ボクたち似ているから混ざっても分からんでしょ」という考えか?
彼はこの図々しさを武器に今後のカラス界を生き延びていくのだろう。
2024年8月12日 公開