昨日、当サイトの「カラス写真集」を三年ぶりに更新した。
「カラス写真集」と題しているので、意識してほぼカラスの写真だけを掲載していたが、続けていくうちに似たようなシーンばかりになり、見る人も飽きてきただろう。ということで、今回から写真集に載せる対象はタヌキやキツネなども含めて動物全般に拡大した。
パソコンの写真フォルダーを整理しながらこれまでを振り返ってみたが、特に代わり映えしない日常というか、平和だったというか、あっというまに時間が流れた感じがする。歳をとると時間の流れが速くなるというが、そういうことなんだと思う。最近のブログにしても「この人、毎年同じこと言ってるな」と、思われているかもしれないが、私の周りで毎年同じことが繰り返されるので仕方がない。
だが時間は確実に流れている。いつ見ても同じような彼らだが、時間の流れとともに老化し、いつか終焉の時が来る。だからこそ、こうして記録を保存し伝えていくことに意味があるのだと思う。
カラス小屋の隣にクスノキがあるが、実はこれ、私が9年前に植えたものだ。
若いころは動物に興味はあっても樹木のことなんてあまり気にしなかった。そこにあるのが当たり前で、風景の一部のようなものだったのだ。しかし、木々の成長を見るとその生命力に圧倒されることもある。
植樹した当時は太さ数センチのヒョロヒョロの幼木だった。
それから三年が経ち、クスノキの隣にはカラス小屋が完成した。小屋の位置決めの際は、クスノキからこれくらい離しておけば大丈夫だろうと考えた。意外と成長が遅いし、そんなに大きくならんでしょ、と思っていた。
私はクスノキのポテンシャルを低く見積もっていたのだ。
しかしこの年の夏、クスノキは覚醒した。
そして現在・・・。
以前はカラス小屋の隣でこじんまりと佇んでいたクスノキだったが、今ではカラス小屋を飲み込む勢いになった。周囲にライバルがいなくて環境が良かったのだろう。好きなだけ枝を周囲に伸ばし勢力を拡大している。
こうして時間の流れとともに木の成長を見ることができるのは、じつに素晴らしいことではないか。もっと大きくなればカラスたちがこの木に巣を作るかもしれない。
だが最近は木を疎ましく思う人が増えたのか、行政は何かと理由を付けては木々を伐採するようになった。果ては勝手に街路樹を切ってコンクリートで埋める中古車屋も出現するなど、それだけ人々の心に余裕がなくなっているのだろう。
<本日のオマケ>
~野鳥観察用のカメラ その2~
今回更新した「カラス写真集」だが、カメラに詳しい人が見ると写真の質が不安定であることが分かるだろう。実際にこの数年で何度かカメラを替えていて、特に2021年ごろの写真はイマイチだ。
2020年まではニコンのD7500+500mmズームレンズ(画像上)を主に使用していたが、2021年の一時期はNikonのCOOLPIX P1000を使っていたのだ。このカメラは、広角から超望遠まで一台で撮れるので当初は喜んで使っていたが、やはり画質が良くない。特に黒の深みがイマイチ。
カラスブログ2021年3月2日 ←以前、カメラを紹介した時のブログ
最高の条件のときにこれくらいの画質だ。黒色が本来の色ではなく、少し青みがあり黒に奥深さがない。これくらいは妥協できたとしても、もっとダメな部分がある。シャッターを連射したあとに5秒間くらいズーム機能が動かせなくなる、という謎の現象が致命的だった。これはデータ転送速度の問題ではなく、こういう仕様?のようだ。
個人的には、老舗レンズメーカーであるニコンが造るカメラこそ本物だという思いがあり、カメラはニコンと決めていた。しかし時代はレンズよりもイメージセンサとその制御の方が重要視されるようになり、ソニーやアップルなどの家電屋がカメラ業界に参入してきた。その流れに乗り遅れたニコンは、ソニーの猛追を受け逆転される事態となってしまったのだ。カメラ屋が家電屋に負けるという、昔の感覚では信じられないようなことが起きている。
で、そんなにソニーがいいのかと、私も試しに一台購入してみた。
購入したのはソニーのRX10M4。これも広角から超望遠まで一台でこなすコンデジであり、ニコンのCOOLPIX P1000とコンセプトは全く同じだ。レンズ交換はできない一体型である。
で、どうだったのかというと、画質は明らかにRX10M4の方が上。黒の深みも一応表現できている。ニコンのような連射後のもたつきも無い。しかもオートフォーカスの性能はCOOLPIX P1000と比較にならないほど良い。
そして、今では専らこの一台(ソニー)を愛用している。最初はちょっと試してみようという気持ちだったのが、気が付けば私はソニーに魂を売ってしまったのだ。
だがニコンの秀でたところは一つある。遠距離の被写体を撮影する場合は、ニコンのCOOLPIX P1000の方が圧倒的に良いのだ。だから鉄塔のカラスの巣を撮影するときは未だにこれを使っている。
ちなみにこの画像は約250m離れた鉄塔を撮影したものである。ボルトのネジ山まで見えているが、望遠性能だけは超ド級なのだ。さすがニコン。
さて、今回はカメラの話題になったが、これを読んで「もっと性能良いヤツあるだろ!」とツッコむ人もいるだろう。当然、レンズ交換式のフルサイズミラーレスの方が画質は良い。しかし、このカメラのように一台で広角から超望遠まで撮れるということが重要なのだ。観察現場でいちいちレンズを交換したり、重いカメラを二台も持ったりしていたらシャッターチャンスを逃してしまうのだ。
私にとってカメラは単に動物の行動を記録する道具であり、芸術作品を生み出すものではないのだ。
2023年10月1日 公開