庭に設置してあるカラスのエサ台。
我が家の庭を縄張りにするハシボソガラスの夫婦を観察するためのものだ。
あるがままの自然の動物を観察するには邪道な方法だが、
カラスの観察にはこれが適している。
魚釣りに例えると
「撒き餌」
野球でいうところの
「打たせて取る」かな?
庭の中央に突き刺された謎の構造物。
事情を知らない来客からは
「晒し首の台みたいで不気味」
などと評判が悪かった。
今回は、この評判の悪いエサ台を新しく作り直してみようと思う。
まず、三本の木材を用意する。
どんな形になるかは後のお楽しみ。
とりあえず見栄えの良いものにしたい。
電気かんなで角を丸める。
そして仮組。
だが、角材が太すぎてバランスが悪い。
そこで組み合わさる部分をノミで削る。
なかなか合わないので何度も削りなおす。
削ること一時間。
ようやく骨組みが完成した。
てっぺんにはクスノキの枝を乗せてみた。
この曲がり具合が絶妙なのだ。
エサ台に止まったカラスがこちらを向くような配置だ。
中央の餌置き場にはヒノキの板を設置した。
ヒノキは腐食に強く、細菌の繁殖も防いでくれるのだ。
高さは猫がジャンプしても届かない2mくらいに設定した。
そして中央にはこのランプを取り付ける。
ランプを白く塗ってとりあえず完成。
だが、イメージしていた理想の仕上がりとは何だか違う。
庭に不釣り合いで浮いた感じなのだ。
新しいエサ台にカラスのエサを置いてみるが、
カラスたちは警戒して全く近寄って来ない。
そう、カラスはこういう新しく設置されたものに非常に警戒するのだ。
夕方、もう一度様子を見に来たハシボソのお父さん。
なかなか近寄って来ない。
安全確認はカラスの基本である。
どうしても納得がいかないようで立ち去ってしまった。
ところで、さっきからチラチラと視界に入るのこの貧相なアーチ。
奥にこのような造形物があるおかげで手前のエサ台が浮いて見えるのだ。
これを立派なものに作り替えたら、
エサ台とのバランスが良くなるかもしれない。
私は思い立ったら止められない性格なのだ。
翌日、さっそくアーチの制作に取り掛かる。
図面を引いて材料を調達。
用意したのは2×4インチ規格の木材だ。
住宅建築にツーバイフォー(2×4)工法があるが、これがその語源でもある。
電動のこぎりで木材をカットする。
こういうのは適当で良い。やたらと正確さにこだわるのは時間の無駄。
端の部分はこうしてジグソーで形を造る。
これも適当。
きちんと測って仕上げても見た目は同じ。
これはサイドのハシゴの部分。
そして天井の格子を組み立てる。
先程の角を丸く成形した木材だ。
そして部品を白く塗装した。
ここで注意したいのが、べた塗りの塗膜性塗料で塗ると木が呼吸できなくなり内部から腐る。
だがしかし、浸透性の塗料では白が発色しない。
よって使用するのは「半塗膜性」塗料。
白く塗りながらもうっすらと木目が見える。
「組み立て完了!」
斬新なスタイルだ・・・。
当たり前だがこれは上下逆である。
接合部分の組み立ては逆さの方がやり易いのだ。
組み立てたパーゴラを起こして土台に設置する。
土台には鉄のアングルを打ち込み固定し、
パーゴラの足が地面に触れないようにレンガを敷く。
前回のアーチに比べると堂々とした佇まいだ。
横幅2.3m、高さ2.6m、奥行きは70cm。
この格子をキウイのツルが登っていくだろう。
そして夏にはキウイを収穫…。
とはならないのだ。
なぜならこのキウイの木は雄。業者が雌雄を間違えたのだ。
よって実りの無いただのツル。
余った塗料でエサ台も白く塗った。
以前の晒し首の台からは進歩したが、
やはりイマイチだ。浮いている。
次回は曲げた鉄パイプを組み合わせた芸術作品のようなものを作りたいと思う。
ハシボソのお父さんがやって来た。
2日目にはもう慣れたようだ。
狙い通り、こちらを向いてエサ台に止まっている。
エサ台と撮影台を兼ねているのだ。
夜になるとエサ台のランプが点灯する。
前回は晒し首の台だったが、
今回のテーマは「かがり火」である。
画像では分からないが、
メラメラと炎が立ち上がるように見える凝ったランプだ。
2018年4月28日公開