昨年(2024年)の7月以来中止していた里親募集を再開しました。
里親募集を中止している期間中にもカラスの保護相談が多くあり、中には保護したカラスは放鳥できず、飼い続けることも困難なために路頭に迷う人もいました。本来ならば行政が傷病救護の手続きや動物保護施設の紹介をするべきですが、カラスについてはほとんどの自治体で傷病救護の対象外であり、行政は何の役にも立ちません。また、多くの動物保護施設においてもすでに飽和状態であるためカラスの受け入れは難しい状況です。
このような状況であるため、人道的な観点から里親募集を再開することになりました。なお、当サイトは動物保護団体ではないためカラスの保護はおこなっていません。当サイトの里親募集は、あくまで「カラスを保護したことで路頭に迷う人」の救済を目的としています。
[里親募集受付の条件]
里親募集は無条件で受け付けているわけではありません。少なくとも下記の3点を満たしていることを条件とします。
(1)保護した時の状況にやむを得ない事情があること
(2)保護したカラスが放鳥できない状態であること
(3)自宅での飼育が不可能であること
[里親募集の現状]
これまでに多くの里親募集を手掛けてきたため、すでにカラスを飼える環境を持った人にカラスが行き渡った状態です。そのため、飼育環境が良好な応募者は少ないことをご理解ください。回復して飛べるようになったカラスは訓練の後に放鳥することも必要です。
[不必要な救護をしていませんか?]
巣立ち後の子ガラスはまだ飛べずに地面にうずくまっていることが多いです。そのため飛べないからといって助ける必要はありません。特に親鳥が周囲にいる場合に保護してはいけません。親鳥はいないように見えても数時間に一度、給餌に戻ってきます。充分に離れた位置からよく観察してください。子ガラスが道路上等の危険な場所にいる場合は、高い木の枝などに止まらせてください。ただし、移動させる際は親鳥の縄張りから出ないよう注意が必要です。一旦、保護して持ち帰った子ガラスでも1-2週間ならば親鳥の元に帰すことは可能です。いまいちど、保護当時の状況をよく思い出してください。
[保護される子ガラスに多くみられる症状]
親鳥とはぐれ、しばらく絶食が続いた子ガラスは脱水症状を起こしていることもあります。食欲が無い状態は危険であり、数日で死に至る可能性が高いです。いきなり強制給餌をするのではなく、ゼリー状の栄養補助食品や流動食などを少しずつ与えてください。
巣立ちの幼鳥に最も多く見られる症状は「脚弱」です。脚弱とは、鳥のヒナによく見られる症状で、成長期の栄養不足により骨格や骨格筋の発達がなされず歩行困難になるものです。カラスのヒナに多い症状はクル病です。これはカルシウムやビタミンDの不足による骨の形成不良であり、幼鳥期なら適切な栄養摂取とリハビリで改善する可能性もあります。栄養不足で育った幼鳥は骨全体の強度が不足し、後に脊椎を脱臼するなど深刻な結果になることもあります。その他、骨折や関節炎などが原因で歩行困難になることもありますので、原因を見極める必要があります。しかし、鳥類の診察が適切にできる動物病院はほとんどありません。
<里親募集をご希望の方>
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<昨年、里親募集が中止に至った経緯>
過去に起こったトラブルなどが載っていますので、里親募集をご希望の方は目を通してください。
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「里親募集終了のお知らせ 2024年7月2日」*過去の記事
2025年5月27日 公開