最近、そこの金網に掛けてある掃除用のスポンジたわしが消えることが何度かあった。しかし、風の強い日に飛ばされたのかと思い、あまり気にしていなかった。
後日、行方不明だったタワシの一つは森の中からこんな状態で発見された。動物が食いちぎったような跡がある。
<翌日>
新品のタワシを補充したら、またしても消えた。
昨日は風もない穏やかな日だったのに・・・。
「う~ん、怪しい!」
犯人はすぐに判明した。
↓↓
そいつはエサ台のカメラにバッチリ写っていた。
最近よく来るようになったハシブトの子どもだ。
カメラには犯行の一部始終が記録されていた。
↓↓
エサ台に来て周辺を見渡し、今にも悪いことをしそうな顔をしている。
「行った・・・。」
補充したばかりの新品なのに・・・。
目を輝かせながらタワシを撫でまわしている。
両足でモミモミして楽しんでいる。
意外とこういう感触のものは無いのだろう。
裏返して・・・、
黄色い部分をクチバシで摘まんでは破片を放り投げ始めた。なにが楽しいのか知らないが、タワシの分解作業に夢中だ。
先日、森で発見したタワシもこいつの仕業だろう。あの動物の歯型のような傷はクチバシの跡だったのだ。
そして飽きたらポイ捨てするという・・・。
こいつのことは「タワシブト」と呼ぶことにしよう。
次の瞬間!
すごい勢いでもう一羽のカラスが飛んできた。
驚いたタワシブトくんは大切なタワシを置いて退散した。
これはハシブトの子ガラス兄弟ではないか。クチバシにくわえているのはイチジクの皮だ。生ごみを漁ってゲットしたのだろう。
それで、兄弟が自分のよりも良さげなモノを持っているのを発見して奪いに来たのか。
自分の獲物とタワシを見比べている。
「あいつが熱心に撫でまわしているから、さぞ良いモノかと思ったが・・・。」
タワシブトくんにとっては宝物だが、他のカラスからすれば単なるタワシ。
タワシブトくんは近くに身を隠し、タワシ奪還のチャンスをうかがっている。
でも、とくに心配はいらないだろう。
兄弟はタワシを置いてこの場を去った。当たり前だ。価値観の違いというよりも、そもそもタワシは可食物ですらない。たいていのカラスは興味ないってことだ。
そしてタワシの奪還に成功。
タワシに対するものすごい執着心を見せたタワシブトくんだったが、他の兄弟が採餌に励むなか、タワシで遊んでいていいのか?
2024年9月16日 公開