私が手に持っているのは野生のジョウビタキだ。ついさっき、偶然にも私はこの小鳥が野良猫のミケに誘拐されるところを発見した。
それで、私は全力でミケを追いかけて小鳥を救出したところだ。
私にこっぴどく叱られたミケだが、たぶんまたヤルと思う。
気の毒に、ぐったりして立つこともできない危険な状態である。
こういう場合は特に処置できることもないので、保温して安静にし回復を期待する。
数時間後、様子を見ると・・・、
残念だが今回はダメだった。
まだ布が暖かいので少し前に息絶えたようだ。
ミケは木登りが得意で、最近では木の上から小鳥を襲うという恐ろしい必殺技を会得した。鳥類にとって最大のアドバンテージである「高さ」をも超越したのだ。小鳥にとっては実に恐ろしいハンターだろう。
あんなに高い所の枝先まで登っている。驚異的な身体能力だ。
これ以上、小鳥が犠牲にならないように対策を考えよう・・・。
古典的な対策だが、猫に鈴をぶら下げるのはどうか・・・。
いや、無理だ。実はこの猫、毎日ここに来てエサを要求するものの触れるほどは馴れていない。しかも気が短く狂暴なので首輪を着けることは不可能だ。そんなことをしたら私が血まみれになる。
ミケは人に媚びることもない孤高の野良猫なのだ(エサは遠慮なく食べるが)。
妙案を思いついた。
欲しがるままにエサを与え、太らせればよいのだ。さすがにデブ猫になったら木登りもできないし、小鳥を捕らえることは不可能になるだろう。
なるべくたくさん食べて、ゆっくり昼寝してもらおう。
2024年3月10日 公開