これは昨年末、12月27日に撮影したハシボソのお父さんだ。
それまで縄張り争いに明け暮れていたハシボソ夫婦だが、この日は二週間ぶりにエサ台に降りてきた。
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久しぶりに姿を見せたお父さんだが、眼の周りに炎症を起こしていたのだ。
1月3日
正面から見ると左眼のかさぶたが膨張してきたことが分かる。
ずいぶん急速に症状が悪化したものだ。
どうやら眼瞼炎のようだが、原因はおそらく鳥ポックスウイルスか、あるいは脱毛を伴っているので真菌感染かもしれない。おそらく冬場のエサの乏しい時期に縄張り争いが続いたもので、体力を消耗し免疫力が低下したのだろう。 捕まえて治療するわけにもいかないし、投薬するにしても病原体が特定できないので無理だ。
仕方がないのでいつもより栄養価の高いエサを置いておくことにした。 好きなものを食べてくれ・・・。
きちんと食べているか、定点カメラで経過を観察することにした。
先にスズメが来て卵黄をついばんでいる。隣の豚肉には興味がないようだ。
そこにハシボソのお父さんが登場。スズメを追い払い豚肉を持って飛び去った。
肉ばかり食べていては栄養が偏るのでトマトなども置いてみよう。
しかしトマトには目もくれず卵黄を口いっぱいに詰め込む。
やはり、ハシボソガラスも動物性の食べ物を好むようだ。
次はモズが来た。彼の狙いはエサ台ではなく地面の虫だ。
あ、トマトにフンをかけた・・・。
そして誰もが寝静まった深夜2時に珍客が訪れた。これはミミズクの仲間だとおもうが、エサ台から周囲を見下ろし獲物を探しているのだろう。 この鳥は以前から定点カメラに写っているが、未だに直接姿を見たことがない幻の鳥だ。
これ以外にも定点画像には野良猫が頻繁に写っていたが、ハシボソのお父さんは毎朝決まった時間に来てしっかりエサを食べていた。
1月10日
正面から見ても左眼のかさぶたが目立ち、何とも不気味な立ち姿だ。視界が妨げられるだろうし、いろいろと不自由だろう。
しかしよく見ると、かさぶたが減ってきている。快方に向かっているのか?
当初から右眼にも少し症状がみられたのだが、それは悪化していない。
1月16日
あれからタイミングが合わずに数日の間撮影できなかったが、6日ぶりに観察すると眼の周囲のかさぶたがほとんど無くなっていた。
どうやら病気に打ち勝ったようだ。さすがは野生の生命力。
1月29日 炎症は完全に治り眼の周囲にわずかな痕跡が残るだけとなった。
一時はハシボソ夫婦の栄華も終わりなのかと寂しく思ったが、今回は見事な復活をみせてくれた。
さて、今年もまもなく子育ての季節。
今年はどんなドラマをみせてくれるのか?
2021年1月31日 公開