しばらくお休みしていたカラス小屋の制作。 先週の日曜から再開となった。
これまでの行程→ カラス小屋の制作2017
工事を休んでいる間、現れたのは狸。
最近、我が家のカラスたちは贅沢になり、
気に入らないエサを床に放り投げるようになった。
で、いつもはそれを猫が取りに来るのだが、
この日の来訪者は毛色がちがった。
近年、この辺の狸に皮膚病が蔓延しているが、
こいつは珍しく毛並みが良い。
おそらく誰かが餌付けをしているのだろう。
冬毛がペルシャ猫みたいにモフモフのフサフサである。
正月に目撃したハゲ狸とは対称的だ。
あいつはもう、お迎えが来たのだろう。
あれから見かけることはなかった。
カメラに気が付き、猛ダッシュで逃げる。
もう一匹は小屋の床下から飛び出てきた。
狸も夫婦仲が良いんだな。
そして先週の日曜から工事を再開。
カラス小屋には扉を取り付けて、ほぼ完成。
次は、我が家のウッドデッキとカラス小屋を結ぶ廊下を造る。
そして午後からは枝を設置した。 枝の配置は最も重要なのだ。 地ベタのニワトリと違い、枝の上だけが生活の場なのだ。 飛べない鳥の場合、このように低めに平行に配置する。 一回では決まらないので、実際にカラスを入れてみて様子を見て調整する。
さっそくアディを投入してみると、
興奮して足をつまずき、いきなり床に落下。
FRPの床に爪が立たずに起き上がれず、
パニックになってしまった。
生まれて初めて触れた滑る床に心底、恐怖を覚えたようだ。
床に激しく羽を叩きつけた結果、風切羽を2本、根元から折損。
新居初日から流血の事態となった・・・。
風切羽を折るというのは、
鳥にとって最もテンションが下がることだ。
お馬鹿で陽気な彼も、すっかり落ち込んでしまった。
だが、風切羽は羽毛よりも生えるスピードが速く、
あまり心配はいらないのだ。
仕方ないので、床に格子状に足場を造ってやった。
掃除が面倒になるけど仕方ない。
お風呂はこんな感じで、少し浮かして設置した。
排水口は室内にあり、排水を利用して床を流すようになっている。
外の壁のバルブを90度回すと排水される仕組みになっている。
手を汚さずに簡単に排水できるのだ。
引っ越してすぐに、ハシボソガラスの夫婦が様子を見に来た。
その内の一羽がアディに何か話しかけている。
拡大するとこんな感じ。
お互いにリラックスした様子で、 声を出さずに無言で交信しているようだ。
その様子を離れた木の上で見ていた相方が、カメラに気付き、 警戒音を上げる。
カラス同士にしか分からないこともあるのだろう。
そして引越しから一週間たった今日。
アディの怪我は完全に治ったようだが、 「床」恐怖症になり、まったく下に降りられず、 あれ以来、水浴びもしていない。
表情も虚ろでテンションは低いままだ。
今朝は霜が降りるほど寒かったが、 日中から気温が上がり、春の陽気となった。
この陽気で冬眠していた蝶も起きてきた。
この蝶は、この辺に生息するルリタテハ。 一年で何回も世代交代するが、晩秋生まれの最終型が、こうして成虫の姿で越冬するのだ。
越冬のスタイルは蝶の種類によって異なり、 森の妖精と呼ばれるミドリシジミは卵で、 国蝶のオオムラサキは幼虫で、 そしてアゲハチョウは蛹で冬を越す。
こいつは縄張りに厳しく、近づく昆虫や小鳥までも追い払ったりする。
遥か上空を鷹が旋回している。 今日のような風のない穏やかな日は、必ず狩に来るのだ。
シルエットは前回、カラスと喧嘩していた鷹と同じだ。 おそらく、同一の個体だろう。
上空から獲物を探し、狙いを定めて急降下して一発で仕留める。 この時、太陽を背にするのがポイントで、 そうすると相手から自分の姿が見えなくなり、 気付かれずに接近できるのだ。 だが、カラスを狙うときはこのような狩ではなく、 森の木に隠れて待ち伏せしていることが多い。 カラスは視野角が広く、急降下戦法が通用しないからだ。
そしてカラス小屋の隣の枝には、 ヒヨドリが止まっている。 頭の毛を逆立てた姿がトランプ大統領みたいだ。 鳥類はこういうヘアースタイルをしているものが多いが、 やっぱり、前から後ろに向けて毛を逆立てると、精悍且つ強そうな感じになる。 そして風の抵抗も少ない。
長かった工事は終わり、無事完成。
設計当初に目指していたような、寺のお堂のような感じは皆無である。
それどころか、和風なのか洋風なのか、 はたまた何処の国の何時の時代の建物かすら分からない雰囲気だ。
装飾が何もないので地味だが、カラスの小屋ならこんなもんでしょう。
夜は廊下に設置したソーラーライトが点灯し、ムーディーな雰囲気に包まれる。
昨年の11月に着工してから3か月かけて完成した。
作業はほとんど日曜日だけだったので、実質、作業日数は12日間くらいかな。
そして、気になる費用は総額35万円也。
費用の大半は木材代だが、それ以外で高額なのが、 屋根材3万円、FRP材料3万円、ステン溶接金網5万円、コンクリート1万円。
プロに頼んで同じものを依頼したら、おそらくプラス100万円は掛かるでしょう。
以上、カラス小屋の制作2017でした。
2017年3月5日公開