池の方から「ギョエーッ!グエーッ!」と、謎の動物の怒声が響いていたが、声の主が近づいてくる。
「なんだこの声は!?」と思って待ち構えていたら、二羽のアオサギだった。
何があったのか知らないが、後ろのアオサギが凄い剣幕でもう一羽を追い回している。
温厚そうにみえる彼らにも感情的な一面があるようだ。繁殖期のためイライラしているのだろう。
右の木にとまるハシボソのお父さんはその様子を傍観しているのであった。
そして森の方ではハシブトガラスたちが喧嘩を繰り広げている。これはいつものことで、この時期の恒例行事である。
この三日間、毎日このような状態だ。
空中で激しく掴み合うが、どちらも退く様子はない。
時にはハシボソ夫婦の巣がある鉄塔に迫るものだから、子育て中のハシボソ夫婦にとってはたまったものではない。
その度にハシボソのお父さんが参戦するが、こうなると誰が何のために戦っているのか分からない状態になるのだ。
森のカラスたちの喧嘩に触発されて、我が家のカラスたちも興奮して喧嘩を始める。カラスの感情は周辺のカラスに伝搬するのだ。
仕方ないので、再び小屋の中を金網で仕切り隔離生活となった。
4月8日
ハシボソのお父さんがエサをくわえて巣に戻ってきた。
すると、巣の中にいたお母さんが飛び去った。
どうやらお母さんはずっと巣の中にいたようだ。
お父さんは巣を覗いているが・・・、
そしてお父さんもすぐに出かけて行った。
どうやら卵が孵化したようだ。先ほどお母さんが巣の中にいたのは、丸裸のヒナに寄り添っていたか、あるいはまだ孵化していない卵があるのだろう。
このペースでいくと、今年の巣立ちはおそらく5月10日前後になりそうだ。
2023年4月9日 公開