鉄塔の巣から子ガラスたちが巣立ち、すでに45日が経過した。
風雨に耐えながら、今でも巣はそこに存在している。
毎年のことだが巣立ってからしばらくの間、子ガラスは姿を見せない。両親の目の届く安全な場所で過ごしているのだ。
子ガラスがどこにいるのか知る方法は簡単だ。
まずはエサ台に来るお父さんを待つ。
エサをくわえて飛んでいく方向を観察すればよいのだ。
この日は東側の森に飛んでいった。
後を追ってみると森の木々の中に子ガラスを見つけることができる。しかし今年の子ガラスは警戒心が強くなかなか姿を見せてくれない。
見つけたのは一羽の子ガラス。森の中から複数の子ガラスの声が聞こえてくるので、おそらく三羽とも無事に成長しているようだ。
毎日カラスの観察を続けているものの、記録に残るのはお父さんだけ。
これでは単なる「ハシボソのお父さんの行動記録」である。
ここで気になるのは、ハシボソのお母さんがまったく姿を見せないことだ。最近は我が家の庭に来ない。それがもう半年も続いているのだ。子育ての時期は夫婦で交互にエサを運ぶ姿を見たが、それは100メートル以上離れた場所だ。
もしかしてハシボソのお母さんは半年前にすでに死んでいて、それ以降に私が観察していたのは後妻ではないのか? 以前から何となく感じていた疑念であるが最近はその疑いが強くなってきた。
この画像は150メートルほど離れた電柱にとまるお母さんだが、遠すぎて確実な判定はできない。
確かに嘴のシルエットはハシボソのお母さんだが鳴き声が少し異なるうえに、体格が少し大きいような気がする。
この疑念の答えはいずれ分かるだろう。
2021年7月4日 公開