カラスブログ2025年5月11日 巣立ち

庭

最近、庭の樹木が成長して圧迫感があるというか視界が狭くなったように思う。


以前はどんな感じだったか、
同じ位置の写真を探してみた。

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庭

これは2017年の写真だ。ちょうど今と同じように鉄塔の巣を観察していたときの様子だ。8年前はこんなにも視界が良かったんだ。最近、カラスたちの行動が分かりにくいなと感じていたが、これでは当然だ。それにしても樹木の成長は早い。


カラス

そしてカラスの成長も速い。

5月4日、巣の中には子ガラスが三羽、そして両脇にはお父さんとお母さんだ。家族総勢5羽が揃うと窮屈な空間となる。


カラス

こんなに大きくなっても、子ガラスたちは給餌の時間以外はほとんど寝ている。


カラス

5月8日、子ガラスたちは盛んに羽ばたき運動をするようになった。寝てばかりでは筋力はつかない。巣立ちが近づくとこうして自主練を始めるのだ。


カラス

三羽の子ガラスが立ち上がると巣には収まりきらずハミ出しそうだ。それでもまだ巣から出ようとはしないが、この窮屈さはそろそろ限界だろう。


庭

5月9日、朝から低い雲に覆われ南風が吹いている。

夕方から土砂降りで大荒れの天気になる予報だ。


カラス

6時30分、子ガラスたちは朝から気合十分だ。所狭しと動き回り翼をバッサバッサと動かしている。


カラス

14時04分、ついに一羽の子ガラスが巣から這い出しヨタヨタと鉄塔を歩き始めた。お母さんは近くで見守っている。


カラス

南風を受け、今にも飛び上がりそうだ。しかし、私の長年の経験上、この状況でいきなり飛ぶことはない。


カラス

本当に飛び立つときは覚悟を決めたように落ち着いているものだ。しかし、足を滑らせて落下し、結果的に巣立ちということもあるので一概には言えない。


庭

15時過ぎ、先程の子ガラスは巣に戻ってしまった。それ以降、子ガラスたちは全く動かなくなった。低気圧の接近を感知したのか、それとも無駄に動いて疲れたということか。

今日の巣立ちは無いだろうという判断で、私も観察を終えた。この様子だと明後日くらいに巣立ちだろう。


カラス

5月10日、朝7時に観察を開始した。

子ガラスたちは朝から元気いっぱいに羽ばたいている。巣立ちは早ければ今日の午後かもしれない。

しばらく観察して気が付いた。

「子ガラスが一羽いない・・・。」

昨日の夕方までは三羽いたのだが、今は二羽しかいないのだ。どうやら、私が寝坊している間に巣立ったようだ。昨日、鉄塔のアームまで歩いて出てきた子ガラスだろう。早朝はまだ雨が降っていたと思うが、非常にせっかちな子ガラスだ。

ということは残り二羽も今日巣立つ可能性が高い。私は改めて観察体制を整え、今日は一日中密着することにした。


カラス

9時14分、一羽の子ガラスがお母さんの後を追うように巣から出てきた。


カラス

足を滑らせたりして危なっかしいが、何度も行ったり来たりしている。もう一羽の兄弟はその様子を見ているだけで巣から出ようとしない。


カラス

ヨタヨタしながらお母さんのもとにたどり着いたが、お母さんはすぐに飛び去ってしまった。

お母さんは「早く飛ぶように」といっているようだ。


カラス

9時28分、お父さんが給餌に来た。お父さんは冬の間に尾羽が一本折れて尾翼が歯抜けになった。そのおかげで遠距離からでも夫婦の識別が容易でたすかる。


カラス

お父さんは給餌を終えると忙しそうに飛び去った。先に巣立った子ガラスはどこに着地したのか分からないが、その子ガラスの世話もしなければいけないのだ。


カラス

11時49分、お母さんは巣の周りをゆっくりと旋回し、子ガラスたちに巣立ちを促している。


カラス

12時23分、お母さんから給餌を受けている。この子ガラスはもう何時間もこの場所に留まっていて、飛び立つ様子はない。


カラス

お母さんが子ガラスのお尻に顔を寄せているが、これは子ガラスの排泄の兆候をみて肛門からフンを吸い取っているのだ。


カラス

育雛中のカラスに見られる行動で、おそらく巣を汚さないためと考えられるが、ここは巣ではないので、もしかすると栄養を得るための行動かもしれない。


カラス

14時38分、子ガラスは右のアームに移動した。右にいるお父さんにエサをねだっている。もう一羽の子ガラスは頑なに巣から出ないが、その場で羽ばたき運動を頻繁にするようになった。

「ここにはもう居られない」ということを、本能かあるいは状況から悟ったのだろう。


カラス

14時55分、二羽の兄弟がそろって羽ばたき運動をしている。お母さんは上から見守っているが、見守るというよりも「早く飛びなさい」と、プレッシャーをかけているのだろう。


カラス

18時10分、結局、二羽の子ガラスは巣立つことなく日没の時間となった。


カラス

子ガラスたちは巣に戻った。今日の様子を見る限り巣立ちは明日の昼前ころだろう。

気が付けば私は朝から11時間も連続で観察していた。今夜はゆっくりと休み早朝の観察に備えよう。


カラス

そして5月11日、5時30分、日の出と同時に観察するつもりが少し寝坊した。

爽やかな5月の風が吹いている。こんな日は巣立ちにピッタリだ。


さっそく観察だ。

カラス

しかし・・・。


カラス

すでにもぬけの殻だった・・・。

どうやら、日の出から短時間のうちに二羽とも巣立ったようだ。

昨日、子ガラスたちのグズグズと優柔不断な様子をみて油断していたが、今朝は何らかの心境の変化があったのか短時間で決断したようだ。


カラス

5時52分、お父さんはいつものように朝食を取りに来た。

この後すぐにお父さんは池の南に飛んで行ったので、子ガラスたちに給餌するのだろう。お父さんの落ち着いた行動を見る限り、子ガラスたちは無事に巣立ったようだ。

今年は巣立ちの瞬間を全て見逃してしまった。感動の瞬間に立ち会えずに残念だが、無事に巣立ったのならそれが何よりだ。

子ガラスたちが三羽揃って元気な顔を見せてくれるときを楽しみにしている。


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2025年5月11日 公開

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