枝にとまり休憩中のアディ。
この後ろ姿を見て何か違和感を覚えないだろうか。
太った? 縮んだ?
何だか、ずんぐりしているように見えるのだが。
そう、尾羽が無くなってしまったのだ。
尾羽が無いと、ひとまわり小さく見えるうえに何だかマヌケ。
比較するものがないと分かりにくいので、過去の写真を探してみよう。
春頃のアディ ↓
この写真のとおり確かに以前は長い尾羽があった。
そしてこの長い尾羽こそ、カラスを優雅にみせているポイントだったのだ。
知らないうちに少しずつ短くなっていたようで、
気が付いた時には冒頭の写真ような姿になっていたのだ。
なぜ尾羽が無くなったのか?
実は最近彼が覚えた遊びが原因であった。
突然ジャンプし壁を登り始めるアディ。
特に何か用事があるわけでもない。これは単なる遊びのようだ。
今流行りのボルダリングである。
登りきったところで周囲を見渡し満足し、その後は飛び降りるのだ。
最近、カラス小屋の中から
「バターッン!」という音が響いていたが、
この時の音だったようだ。
それにしても、尾羽の無い姿はマヌケである。
どうやら金網に尾羽をひっかけて欠落したようだ。
鳥の尾羽は滑空時の方向舵の役割と、減速時のフラップの役割を兼ねる重要なものだ。
だが地上では何の役にも立たない。
小屋で飼育しているカラスにとっては単なる飾りである。
むしろ無い方がコンパクトで動きやすい。
そして謎のポーズ。
何だか笑いそうになるが、笑ってはいけない。
これは彼が幼少の頃、まだ空を飛べていた頃の感覚が呼び覚まされているのだろう。
今でも時々こうして空への想いが蘇ってくるのだ。
もしかするとボルダリングも単なる遊びではなく、
「再び空を飛びたい」という願望からなのかもしれない。
アディがバタバタと暴れるうちに、風切羽が一本抜け落ちてきた。
白い羽…、 これは例の真っ白な羽ではないか。 昨年、アディが何度も痛めた所から生えてきた白い羽だ。
2018年7月14日公開