ニートのごとく居座り続けた子ガラスだったが、 お母さんからの猛攻撃を受けて追い出されたのであった。
3月13日のことだった。
前回のブログ
その頃を境にハシボソ夫婦は気性が荒くなっていった。
おそらくその時期に産卵を終えたのだろう。
鉄塔の上空を通りかかったのはトビ。
ハシボソ夫婦は猛追撃し、前後に挟み撃ちして執拗に攻撃をしかける。
ただ通りかかっただけだろうに気の毒だ。
心配していた枝の垂れ下がりだが、それ以上落ちてくることもない。
これなら巣の撤去を免れそうだ。
しかし、巣までの距離が300mもある上に、 鉄塔のアームが見事なまでに視界を塞いでいる。
これでは巣の中の状況はまったく分からない。
そして、巣の状況が分からないまま1ヵ月以上が過ぎた
桜も散り新緑の季節へと向かう。
庭の地面に張り付き縄張りを主張しているのはルリタテハ。
昨秋に羽化して冬を越し、今では羽もボロボロになり寿命尽きるころだ。
そして次世代へとバトンタッチし生涯を終える。 生まれ来る命があれば、去りゆく命もあるのだ。
そして入れ替わるように縄張りを主張し始めるのがこのクマバチだ。
ゴツイ体格に重低音の羽音を響かせて周囲を威嚇している。
エサ台の下に落ちたドッグフードを拾い集めるのはハシボソのお母さん。
カラスたちは今度のヤギにはまったく警戒心を示さないようだ。
友達になれるかな?
4月中旬になると、ハシボソ夫婦は頻繁に巣を出入りするようになった。
卵が孵化しているのは間違いないが、 相変わらず状況は不明である。
そのため、ハシボソ夫婦の行動を観察してヒナの状況を推測するしかない。
食べ物を運ぶ頻度から考えると、 複数のヒナが順調に育っているはずだ。
いつもは食べ物を独り占めするハシボソのお父さんだが、
最近ではせっせと巣に食べ物を運ぶ珍しい姿が見られる。
寄り道せずにまっすぐに巣に向かうお父さん。
そして夫婦そろって巣を覗き込んでいる。
しばらく巣を覗き込んだままでいるが、 愛しい我が子に見とれているのかな?
それにしても、もどかしい
毎日観察するも、いまだにヒナの陰すら捉えられないのである。
絶妙な位置に巣を作ったものだ。
特にあの斜めのフレームが憎い。
4月21日
お父さんが巣に食べ物を運んできた。
巣を覗き込んでいるのはお母さん。
次の瞬間!
巣からニョキっとクチバシが伸びてきた。
ヒナだ!
ついに姿を現した。
ヒナはすでに黒い羽毛が生えそろっている。
今年も二羽のヒナが育っている。
ヒナが巣の中で立ち上がることができるようになったおかげで、ようやく姿が見えるようになったのだ。
2019年4月29日公開