庭の端の方では地面の雑草が目立ってきた。
こういうときはモンジロウの出番なのだ。
さっそく片づけてもらおう。
しかしヤギは地面の草よりも樹木の葉の方が好きなようだ。
期待に反して木の葉ばかりを食べている。まあ、いいけど。
2時間後
モンジロウの悲痛な声が響く・・・。
何だかロープが複雑なことになっているぞ。
ロープが絡まり身動きが取れなくなって私を呼んでいたのだ。
よくもまあ、こんなに複雑に絡まるものだ。 飽きっぽく隣の木に次々と移るものだから、複雑に絡んだのだろう。
そして最後には焦って、あの木の周囲を三周回ってどうにもならなくなったのだ。一重に絡んだくらいならモンジロウは自分でほどくのだが、知能の限界はそのあたりのようだ。
モンジロウが木の葉を食べるおかげで下の枝の高さがきれいに揃っているが、これらは全て直立姿勢で食べたのだ。
キリンは木の葉を食べるために首が長くなったというのが定説である。それならヤギは、二足立ちすることで高いところの葉を食べるように進化していくのだろう。
そして、二足歩行により自由になった前足を手のように使うのだ。前足が自由になると、それまでにない多様な動作が可能になり思考力も向上する。
この姿勢で少し歩くこともできる。この調子なら未来では本当に直立二足歩行に進化しているかもしれない。
そして人類がバカやって滅んだ後にもヤギはしぶとく生き残り、人間に代わって地球を支配する。すなわち草食が支配する緑の星、「ヤギの惑星」になるのだ。
2021年6月6日 公開