先週までは食欲もなく曇った表情のアディだったが、
すっかり元の姿に戻った。
床恐怖症を自ら克服し、今では床に落ちたエサを拾い食いするまでになった。
昨日は特別な日だった。お祝い事があったのでその残りをお裾分け。
ブロックで買ってきた和牛だ。ランプに近い部位で、さしの入り方がきれいだ。
今日のカラスの朝食はコレ。
そしてもう一つ。
天然ブリの刺身。この季節のブリは脂が乗っていてうまい。
スーパーなどで買うブリには当たり外れがあり、新鮮なのに生臭いものがある。
そういうのを避けるには、やはり朝一番でプロ用の店に行き、 ちゃんと魚を観て、きちんと血抜きしてあるか見極めてから一本まるごと買う。
脂ののったブリの刺身を前に「マテ」をするアディ。
以前はごちそうを前にすると我慢ができずに狂乱し、飛びついてくることがあった。
でも最近は大人になったのだ。
行儀よくマテをした後、「ヨシ!」の合図で食らいつく。
続いて和牛。
珍しくバン君が近寄ってくる。
普段はカメラを向けると絶対に寄ってこないのだが・・・。
和牛の吸引力だ。
こいつは上質な和牛の味をよく知っている。
舌の先で味わいながら、ゆっくり食べる。
アディの分もちゃんとある。
カラスは旨いものを口にすると、直ぐに飲み込まずに、舌でよく味わって堪能するのだ。
引越しから二週間。
バン君はこの窓際がお気に入りだ。
引越してから二羽は仲が良くなった。 同時に新居に引越したので、「先住者たる先輩」と、 「後から来た新入り」という上下関係が薄くなったのだろう。
人間社会でもそんなもんだ。 例えば会社の先輩と一緒に他社に転職したとする。 すると、転職した先では従来の上下関係は希薄なものとなるだろう。
春になり姿を現したメジロ。
今、遠くでウグイスが鳴いている。 もし予備知識が無ければ、
「あの美しい声の主はお前か?」 と、誤解したりもするだろう。
抹茶のスイーツに羽が生えたような綺麗な鳥だ。
もう一羽、落ち着きの無い小鳥がいる
ジョウビタキかな?
カラスを飼っていると、よく愛鳥家なのかと誤解されるが、 実は私は鳥にはまったく興味が無い。
ただ、私の周りに鳥がいるから撮っているだけだ。
今日も上空を鷹がゆっくりと旋回している。
上昇気流に乗り、羽ばたくことなく遥か上空まで昇る。
彼はここ数日、こうして毎日やってくるのだ。
それを全く気にしないカラス・・・。
どうやらあの鷹はカラスを狙うのを止めたようだ。
カラスの縄張りを侵犯しないように、 遥か上空から獲物を探している。
2017年3月12日公開