室内に設置されたこの飼育ケージは2019年に作ったものだ。
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ケージの中にいるのはアディ?
ではなくて、バン君である。
なぜ彼がここにいるのか?
それは今年の正月のこと。
原因
↓
年末に転倒してケガをしたアディであったが、翌日にはケロッと快復して普段通りに戻っていたのであった。 いや、普段通りというよりもパワーアップしたのだ。
アディは元から喜怒哀楽が激しくヤンチャだったのだが、最近は気性の荒さが目立ってきた。
以前にも話したが、周囲で繰り広げられるカラスの喧嘩に刺激され興奮状態に陥るのだ。そんなときにハシボソのお父さんが小屋の近くに来るとアディの興奮は絶頂に達する。そしてなぜか先輩であるバン君に喧嘩を仕掛けるのだ。
「お父さんの前でカッコイイところを見せたい。」という心理もあるのだろうが、バン君にしてみればいい迷惑である。
唸り声を聞いて私が駆けつけるといつもこの状態。 足で互いに掴み合い、お互い一歩も引かずに膠着状態なのだ。
「オマエらやめろー!!」という私の声にも止む様子なし。 こういう時は無理に引きはがすと危ないので、ホースで水をかけて落ち着かせる。このような騒々しいことが何度も起こるものだから、正月休みを振り返ってみても思い出すのはカラスの喧嘩の仲裁ばかりだ。
そういうことで別居生活が始まったわけだ。
原因たるアディを隔離すればよいのだが、あの騒々しいカラスを室内に入れたくないというのが本音である。
部屋に入れたバン君は実におとなしい。 そこに居ることを忘れるくらいだ。 これが成熟した大人のカラスの姿だろうが、いつかアディにもこのような時期が来るのか?
しかし屋外飼育のカラスを室内に避難させると困ったことがあるのだ。
カラスは日本の固有種であり冬の寒さに強いのだが、それは秋からの気温低下に合わせて羽毛が発達するからだ。そうして真冬仕様となったカラスを暖房の効いた屋内に入れると非常に暑がる。慣らせばよいのだが、暖房に慣れてしまうと今度は外に戻せなくなってしまうのだ。
それで私の書斎は真冬にもかかわらず暖房も使わず窓を開けている。
温度計の針は12℃を指しているが室内でこの温度はかなり寒く感じる。
もう一つ面倒なことは「フン」である。 カラスの室内飼育で最も大変なのがフンの対策と掃除だ。
最近のペットシートはよくできていて、二日分のフンを吸収してくれる。だがやはり二日目には独特の臭いが漂う。猫のウンコのような悪臭ではないのだが何というかこう、食欲の失せる独特の臭いだ。
そんなこともあり、なるべく早く外の小屋に戻ってもらうことにした。
ひとり小屋に残ったアディ君。広々とした空間を独占して満足そうだ。しかし、このまま同居させるわけにはいかない。仕方ないのでカラス小屋に仕切りを入れてやろうと思う。
せっかくの広い空間だが、ここを二分割にするのだ。
まずは邪魔なものを撤去して仕切りの網が入るスペースを作る。
こんな時にも作業の邪魔ばかりしているアディだ。
いったい誰のおかげでこうなったのか?
小屋の内部を南と北に分けるように仕切りを入れた。
何となく雲行きの怪しさを感じたのか、
急にテンションが下がったアディ君だ。
「完成。」
さっそくバン君を小屋に戻そう。
一週間ぶりに帰ってきたバン君。
南向きの出窓がある方がバン君のスペースだ。
アディは北側・・・。 気の毒ではあるが原因と結果を理解してもらいたい。
これでしばらく様子を見よう。
いつかアディが落ち着いたカラスになってくれたら、その時は仕切りを外そうではないか。 でも何となく、生涯このままのような気がしている。
2021年1月17日 公開