カラスブログ2019年12月29日 オオタカの季節

対岸の木

12月26日早朝、まだ日の出前の6時45分。普段はこの時間からカラスの声がうるさいのだが、今日は静かだ。

いつものようにカラスの観察を始めると、池の対岸に侵入者を発見した。あの120m以上離れた対岸の木にとまっている。


オオタカ

辺りが暗いうえに遠いのではっきりわからないが、あれはオオタカだ。この季節になると頻繁に飛来するのだ。

置物のように微動だにせず獲物を探している。

これは昨年観察したのと同じ個体だろうか?


オオタカ

昨年の画像と比べてみよう。今年の写真は被写体が遠いため比較しにくいが、顔の模様が異なる。これらは別の個体のようだ。

ところでオオタカといえば覚えているだろうか? 15年前に開催された愛知万博の際に、会場として開発される予定の森林にオオタカの営巣が確認されたのだ。当時、オオタカは絶滅が危惧されていたこともあり、開発推進派と地元の反対派、及び環境保護団体も絡んだ大騒動となり連日テレビを賑わしていた。そんな中、オオタカの古巣がこつ然と消えるという、誰が犯人か分かりやすい「事件」も発生。(*オオタカは繁殖地で古巣を再利用する習性がある)

この騒動以来オオタカの存在は注目を集め、同時に森林保護の重要性も認識されたのである。

だが、手厚く保護されたオオタカは個体数を激増させ、森からあふれ出し市街地にも出没するようになったのだ。当時は「オオタカは広大な森林がないと生きていけない!」なんて言われていたが、今では街にも平然と姿を見せ、ノロマな街の鳩をターゲットにしている。都市部への進出に成功したカラスと同様に、これもある意味柔軟な進化だろう。それにしても自宅の庭でオオタカの観察ができるなんて、当時は夢にも思わなかったことだ。


オオタカ

観察を続けていると、上空を一羽のカラスが通過した。あれはハシボソのお母さんだ。オオタカを警戒しながら近くの送電線にとまった。

それ以降、状況は変わらぬまま20分が経過した。観察を続けるが集中力が途切れてくる。そしてよそ見をしたその時、オオタカはとまっていた木を離れ画面左に向けてフル加速!

一羽のキジバトに狙いを定めたのだ。


慌ててカメラで追うが速度が速すぎて追いつけない。キジバトも直線飛行はかなり速いのだ。

しかし鉄塔の前を通過したところで守護神の登場!

オオタカ

付近の送電線で待ち伏せしていたハシボソのお母さん(右上)がオオタカを迎撃。

ここでオオタカの速度が落ち、ようやく私のカメラも追いついたのだ・・・。


オオタカ

すると、どこにいたのかハシボソのお父さんがすごい勢いでそのあとを追い抜く。


オオタカ

カラスとは思えないほどの加速をみせ、オオタカの背後に迫る。

何が起きているのか理解できないほど一瞬の出来事だ。


オオタカ

そのままオオタカを追って森の方まで飛んで行った。

狩りを邪魔されたオオタカであるが、そのおかげでキジバトは命拾いしたのだ。


カラス

しばらくして戻ってきたハシボソ夫婦。

そろって眼下の森を警戒している。


30分後

カラス

ハシボソのお父さんが庭にやって来た。

もう大丈夫のようだ。


カラス

ハシボソのお母さんも。


カラス

子ガラスも・・・。

そう、今年も子ガラスは親元に残っており、このまま年越しとなりそうだ。


しかし昨年のように両親にべったり頼るような感じではなく、縄張りに同居しているだけのような状態だ。 ニートではなく稼ぎがある同居人というところか。


<本日のオマケ>

~ したたかな子ガラス ~


カラス

12月15日早朝。

定点カメラにはエサ台に来た子ガラスが写っていた。

両親に見つからないように朝早く行動するのだ。

この日は卵黄に加えて昨夜の残りの鶏肉が置いてある。


カラス

まずはその場で卵黄を丸のみにした。


カラス

次に特大の鶏肉をそのままくわえた。

ちょっと欲張りすぎではないか?


カラス

そして、そのまま飛び去った…。


子ガラスに与えたわけではないのに・・・。


カラス

しかたない。

あとから来るであろうハシボソ夫婦のためにドッグフードを追加。


カラス

そのあとにやって来たハシボソ夫婦。居候の息子に美味しいものをすべて持っていかれたことは気が付いたのだろうか?

それにしてもすごいカメラ目線のハシボソのお父さんだ。


実は・・・、

カラス

撮影している私を警戒しているのであった。


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2019年12月29日公開

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