カラス小屋の裏にミケがいる。 だけど、なんだかいつもと雰囲気が違う。
よく見ると・・・、
あれ? ミケじゃない。 顔の模様が違う。
よく似ているけどこれは偽物だ。
偽物といっては失礼かな。「そっくりさん」である。
本物はこっち。
今日も何か獲物を狙っているようだが?
「ばびょ~ん!」
華麗なジャンプを見せるミケ。
おっと、獲物に逃げられた。
枝にとまっていたヒヨドリを狙っていたようだ。
微笑ましい光景に見えるが遊んでいるわけではない。
稀に狩りを成功させることもあるのだ。
室内で飼われた太った猫とは違うのだ。 目指すとこズバリ「虎!」。
耳が半分無くなったが、そんなことは気にしない。
ハクホウがついてきた。
彼はこの一年、ずっとミケのそばにいる。
私は野良猫へのエサやリは一匹だけと決めている。以前はウシ、そして今はミケだけである。 そうしないと収拾がつかなくなるのだ。 しかし私は今、あのハクホウにも何か食べさせてやろうかと悩んでいるところだ。
その日の午後
今度はボスを連れてきた。
ボスは最近、発情のあまり奇妙な雄叫びをあげている。
しかし避妊手術をしたミケにはメス猫としての魅力はないはずだ。 だが、それでも魅力的に映るのだろう。ミケは猫の世界の「いい女」といったところか。
エサ台にはハシボソのお母さんがとまっている。
今度はカラスを狙うらしい(笑)
そしてボスは狩りの様子をゆっくり見学。
ミケにロックオンされたハシボソのお母さん。 とても不愉快そうだ。
さて、ミケはどうでるかな?
やめた方がよいとおもうが…。
どこから攻めようか思案するミケ。
そう、このエサ台は猫が登り難いように設計してあるのだ。
それにしても上と下では勝負にならないだろう。
ハシボソのお母さんは屋根の上に移動した。
ところで猫とカラスはどちらが強いのか?
地上で本気で戦えば体重とパワーでまさる猫の方が優勢だろう。
しかし、動物の喧嘩というのはそれだけでは決まらないものだ。
ミケはパーゴラを登り始めた。
ボスも近くに移動して観戦だ。
向かい合う猫とカラス。
こうしてしばらく睨みあった末、ハシボソのお母さんが飛び去り、その場は納まったのであった。
猫とカラスは仲が悪い。
特に繁殖期のカラスは猫を警戒するが、 それはおそらく子ガラスを猫にとられたりするのを心配しているのだろう。 しかしそれは猫にとっても同じことである。
2019年3月10日公開