カラスブログ2017年2月11日 カラスとタカ

カラスとタカ

今朝まで断続的に降っていた雪は止み、昼前には青空が見えてきた。 最近、野のカラスたちは縄張り争いに明け暮れている。 巣作りの季節が近いのだろう。

三羽のハシブトガラスと、二羽のハシボソガラスが空中で喧嘩をしている。 よく見ると、仲間どうしで合図を送りながら、相手を追い込んでいる。

私が餌付けしたハシボソガラスの夫婦の方が優勢のようだ。 毎朝、卵黄を食べさせているおかげだろう。スタミナが違うのだ。


カラスとタカ

午後からは一転、雪雲に覆われ、再び雪が舞い始める。

今日は一日中、外のカラスがうるさかったが、 次第にハシブトガラスの低い唸り声が聞こえるようになった。

窓の外を見ると、一羽のタカを、先ほどのカラスたちが追い回している。

左がタカ、右がカラス。

カラスがタカを追っている光景だ。

日頃、仲の悪いカラスたちも、共通の敵が襲来するときには協力し合うようだ。


カラスとタカ

だが、追われていたタカが、突如、背面飛行から急降下。 カラスに向かって急降下する。

一羽のハシブトガラスに照準を絞り、 執拗に攻撃を仕掛ける。

最もスタミナが無いヤツを見抜いているのだ。

カラスもとっさに急降下する。加速能力はタカの方が上だが、 旋回性能はほぼ互角のようだ。


カラスとタカ

二羽並んだ。

翼面積はタカの方が狭く、高速向きの体系である。 対してカラスは、広い翼面積を生かした低速のアクロバット飛行が得意だ。


カラスとタカ

ものすごい速度で繰り広げられる空中戦だ。カメラのピントが全く追いつかない。


カラスとタカ

森の向こうまで飛んで行ったかと思えば、 しばらくして戻ってくる。

先程と同じく、カラスが追われる側だ。


カラスとタカ

接近し、互いの視線を意識する。


カラスとタカ

タカが追いつくも、カラスの反撃を警戒して間合いをとる。


カラスとタカ

タイミングを見計らい、カラスがいきなり急減速。

タカの後ろをとった!


カラスとタカ

ここで攻守逆転!


カラスとタカ

かと思ったが、いったん距離をとる。スタミナが限界に近いのだろう。

時計を見ると、もう、かれこれ30分以上、断続的にいがみ合っている


カラスとタカ

タカはいったん上昇し、そこから再び攻撃態勢を整える。


カラスとタカ

だが、カラスも負けてはいない。

体制を整えて迎撃する。 にらみ合いながら空中戦は続く。


カラスとタカ

二羽は空高く上昇したところで、タカが急旋回。

カラスも慌てて仰向けに旋回する。


カラスとタカ

ここで両者、同じタイミングで体をひねり、背面宙返り。


カラスとタカ

やはり旋回能力はカラスの方が上だ。

瞬時に身をひるがえし、 急降下する。

だが、これで再びタカに背後をとられるのだ。


カラスとタカ

しかし、ここで双方とも、スタミナの限界を迎えた。

この後、引き分けのまま、空中戦は終わった。

引き分けといっても、タカにとっては手痛い敗北だろう。 なぜなら、これにて彼は今日の夕飯は抜きになるからだ。

捕食者たるタカが、このように長時間も互角の相手と空中戦を繰り広げる。

狩人として非常に効率の悪い行動だ。 カラスとの無駄なバトルにのめり込む姿を見ると、 すでに彼は、空腹で判断力が鈍っているのだろうか?

あるいは、彼にとって今日のカラスは捕食の対象ではなく、 プライドのために戦っているのか? そう、思わせるような一幕だった。

それにしても、カラスの戦闘能力は侮れない。 食物連鎖の頂点たるタカと、空中戦で互角のドッグファイトが可能なのだ。 カラスがなぜ現在、ここまで栄えたのか?その理由の一つを見た気がする。


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2017年2月11日公開

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