もうすぐ築8年を迎えるカラス小屋だが、外観からは問題なさそうに見えるものの内装は傷み始めてきた。
特に南側の土台となる木材は傷みが酷い。
これは5年前の写真だが、この時からすでに南側の土台(画像左下)が腐食し始めていたのだ。
水が掛かる場所に安いホワイトウッドを使用してはダメだ、ということはこのブログでも何度か説明したが、今回はダメの見本をご覧いただこう。
腐食の始まりは微生物によるものが多いので、眼に見えないところで伝染病のように周辺の木材も腐っていくのだ。
腐食の機序としては、水が滞留した部分に様々な細菌や藻類が繁殖し、その代謝物や死骸などにより有機物が堆積する。そのうち木を栄養源とする種類の細菌が住み着くと、木材自体がゆっくりと侵食されていくのだ。そして何年かの歳月をかけて、木材を完全に食い尽くす。これが見えない部分で起こると、地震の際に建物自体が簡単に倒壊するのである。
実に恐ろしい。
腐食が進む最大の原因は水であるが、水が溜まる原因は風通しが悪いことだ。風が通らないと水が滞留し、湿度が細菌の繁殖を助けるのである。
そこでまず、この扉を金網仕様に変更する。
これで床の風通しは多少改善するだろう。
続いて腐った壁を撤去するのだが・・・。
カラスたちが邪魔だ。
まずはアディを外に出した。
悪いが少し我慢してくれ。
バン君は小屋から出ることを断固拒否したので、仕方なく小屋の隅を金網で仕切った。
そしてフンが私の頭上に落ちてこないように板を敷いた。
ここからは急がなければ。
日没までに完成させないとカラスたちの寝場所がなくなる。
鉄のネジはとっくに錆びているので、バールを使って壁板を剥がしていく。
8年ぶりに太陽の光を浴びた床は、腐食した土台が露わになった。
見事に腐食している。まるで海底から発掘された中世の沈没船みたいだ。
さっそく腐った木材を撤去した。
小屋の床にカラスの羽毛がたくさん散らばっているが、あれはさっき、バン君が大暴れしたときに抜け落ちたものだ。
腐った部分はヒノキに交換した。やはり水場にはヒノキを使用するべきだと思う。
そもそも、腐らない鳥小屋を造るなら最初から総ヒノキ造りにするか、いっそ木造は避けて総ステンレス製にする方がよいだろう。
あるいは、この小屋のように部品単位で交換できるように設計して、腐った部分はその都度修理していく、という割り切った考え方もある。
壁板は前回と同じ杉板だが、今回は表面を炭化させたものを使う。
急いで仕上げないと日が暮れてしまう。
壁板完了。
この時点で15時30分を過ぎていた。
もうすっかり日が傾いてしまった。
冬の日没は早い。
アディが変な声を発しているが、
もう我慢の限界が近いのだろう。
あと少しで作業完了だ。
仕上げに床のFRPと木材の継ぎ目をコーキングして完了。
なんとか日没に間に合い、カラスを小屋に戻すことができた。
翌朝
朝の陽ざしが小屋の床に入るようになった。これであと5年は問題ないと思う。
2024年12月15日 公開