暖冬なのか大雪なのかよく分からない冬だったが、いつもどおり春は来た。
春の陽ざしを存分に浴びる野良猫のミケ。
鉄塔に巣作りをはじめたハシボソ夫婦は3月11日に産卵を終え、今日の時点でまだ抱卵中である。
この写真は3月8日の様子。夫婦そろって巣の最終仕上げをしているところだ。
地面には少しずつ緑が増えてきたが、モンジロウの主なエサはまだ牧草に頼っている。
モンジロウは昨秋から80kgの牧草を消費した。容器に牧草を入れて与えるのだが、牧草を地面に広げて食べるという行儀の悪い癖がある。
その広げた牧草の上で、あろうことか野良猫のミケはオシッコをするようになった。猫はトイレを選ぶ動物であるが、わざわざモンジロウの食卓でしなくても・・・。
なぜココで・・・。
オシッコを終えると、猫の作法にならいきちんと牧草を被せてマナー良く元通りに・・・、と。そういう問題ではないと思うが。
人間の感覚でいうときわめて不潔だ。それよりも絶交モノの嫌がらせに該当すると思うが、モンジロウはあまり気にしていないようだ。
なぜなら彼自身も自分の牧草にオシッコをかけているのだ。食卓で放尿するようなものだが、動物はオシッコを汚いものだと思っていないのだろう。
そういえば思い出した。
ところ変わって、ここは長野県にある馬の牧場。昨年10月に行った時のことだ。
遠くに見える馬たちは「木曽馬」という日本固有種で、背が低くどっしりと安定した体格だ(悪く言えばズングリ体型)。戦国時代にこの地域の騎馬武者が乗っていたのも木曽馬。性格は優しくフレンドリーらしい。
私が呼ぶと、馬たちが一斉に駆け寄ってくる。
私はなんだかムツゴロウさんになったような気分で、両手を広げて馬たちを迎えようとした。
しかし馬たちは私に会いたいのではなく「観光客が何かくれるかも!」と、期待していたようだ。
私が何も持っていないことを知ると、馬たちは残念そうに地面の草を食べ始めた。
あの馬はいま、昼食の最中だ。彼もだらしなく牧草を広げている。
私はさっそく馬に話しかけようと近づいた。
すると突然、「ズバーッ!」と、水が噴射するような音が聞こえた。
なんと、彼はジェット噴射のようにオシッコをし始めたのだ。オシッコの勢いと量がハンパじゃないが、それよりも放出する先は自分の昼食たる牧草である。
こんな所で我が家の庭と同じ光景を見せられるとは・・・。
さっきの馬が変わり者なのではなく、食事中に唐突に放尿するのはどの馬も同じようだ。
ところで私はヤギを飼っていて慣れているのだが、この辺りは牧場独特の臭いが漂っている。ウンコの臭いというよりもオシッコのアンモニア臭だと思う。
馬とヤギのしょうもない共通点を見つけたのであった。
<本日のおまけ>
先月のことだが、窓を叩く音がするので外を見てみると地面に小鳥が落ちていた。
「シロハラ」という渡り鳥だと思う。
どうやら窓に衝突したようだ。脳震盪を起こしているようで、苦しそうに眼を閉じている。
呼びかけると反応するが、こういうときは安静にしなければいけない。
しかし、この周辺には凶悪なハンターがウロウロしている。
こいつに捕まったら最悪だ。
猫の手が届かないところに鳥を移動させた。
立ち上がる気力もなく危険な状態だったが、運よく回復し数時間後には飛べるようになった。
小鳥が窓に衝突することは年に何度かあるのだが、ぶつかるのはどれも小型の鳥だ。鳥類の多くは鏡を認識できないため、窓に反射する景色を実像と誤認することが原因といわれているが、鏡像認知ができないだけで窓にぶつかるわけないだろう。そんな単純なことではない。なぜなら、窓の向こうに広大な森が存在し得るわけはないことは、建物全体をみれば一目瞭然だからだ。だから、窓にぶつかる鳥というのは飛行中の視野が極端に狭いか、あるいは、常にその瞬間に目に映ったものだけで状況を判断しているのだろう。
人間でもたまに入り口と間違えてガラスに衝突する人がいるが、あれも全体を見ずに目の前に見えたものだけで判断しているのだろう。
2025年3月30日 公開