エサ台にいるのはハシボソのお父さん。
ドッグフードを次々と喉袋に収納している。
そこに子ガラスがやって来た。
狙うは視線の先のドッグフード。
しかしお父さんに追い払われてしまった。
お父さんは子ガラスがエサ台に来ることを快く思っていない。 自然界には存在しえないこの「食べ物が湧き出る不思議な場所」。これが子ガラスの教育に悪いという認識かもしれないが、単に「俺はいいけどオマエはダメ」ということか?
お父さんは、のど袋いっぱいに詰めたドッグフードをもって移動した。
子ガラスも慌ててあとを追う。
しかしお父さんはすぐには食べ物を与えない。
「プイっ」と顔をそらしそっけない態度を見せる。
耳元で声を張り上げる子ガラスだが、聞こえぬふりのお父さん。
しかしモフモフと膨らむ頭の羽毛。
カラスは嬉しい時やリラックスしているときに頭の羽毛が膨らむのだ。
つまりこの状況はお父さんにとっての幸せなひととき。
「おっと、いけねぇ」
こぼれ落ちそうになったドッグフードを急いで口に戻す。
「よーし、オマエらついてこーい!」
子ガラスのおねだりを巧みにかわすお父さん。
クチバシの先にドッグフードをチラつかせる。
右に左に歯切れのよいディフェンスだ。
おっと、ここでお父さんのディフェンスの動きが止まった。
「そろそろ頃合いかな・・・。」
ようやく食べ物を渡す気になったようだ。
子ガラスへの「エサやり」を楽しむお父さん。そこに教育の意図は感じない。
ふれあい動物園でヤギ相手にニンジンを見せびらかす観光客と似たようなものである。
エサ台のドッグフードを独り占めする理由は単に、
「エサやりの楽しみ」のためだったようだ・・・。
本日のオマケ ↓
鳥の羽毛は瞬時に逆立ったりする。これは体温調節にも役立つのだが、多くの場合は感情の現れである。
カラスの場合は嬉しくなると頭部の羽毛を
「モフッ」っと逆立てる。
普通のカラスは、
←これくらいが最大だが、このお父さんはこんなものではない。
「ドドォ~ン!」
まだまだぁ!
「ゴゴゴゴゴ~!」
お父さんはMAXに到達。
怒っているように見えるがそうではない。
嬉しさの表現である。
そして・・・、
「ショボ~ン…」
普段はこんなものである。
2019年7月28日公開