管理人ブログ2020年7月12日 烏合の衆

前回のブログに対して多くの賛同のメールをいただき、この場を借りて改めて御礼申し上げます。 前回のブログ  ←

皆さんにお願い
来年度に鳥獣保護法の指針が改正されます。 この機に是非とも皆さんの意見を発信してください。 ご協力をよろしくお願いいたします。
意見の投稿先  ←

私が幼少のころを過ごした80年代は、カラスたちは今ほど嫌われていなかった。 もちろん好かれていたか? と、言えばそうでもない。 「愛されてはいないが、いつも近くにいる存在」だったのである。 思い出してみると当時の子供向けの絵本や童話にもカラスがよく登場していたし、現代文学においてもカラスを飼育したエピソードなどをいくつか読んだことがある。 カラスは本来、人間と相性の良い動物なのだ。 むこうもそう思っているからこそ、人間社会に進出しているのだろう。 いわば日本人とカラスは古くからの共存者なのだ。

街中にカラスが増えすぎて問題になったのは90年代からだろう。 今ではすっかり嫌われ者になったカラスたちだが、そんな彼らを観察してみると実に個性豊かで興味深い動物であることに気が付くのだ。 飼育してみると、さらに面白い素顔を見ることができる。 やんちゃで人懐っこいその性質を身近な動物に例えると、猫よりもどちらかといえば犬に近いように感じる。 私はそんな彼らの本当の姿を知ってもらうために、このサイトを開設したのだ。

現在、カラスをとりまく問題はいくつもある。 それら一つ一つの問題を解決していけば、 また昔のように人間とカラスが普通に共存できるだろう。

前回のブログのとおり、最近ではカラスの救護を役所が認めないことが多いのである。 助けを求めるカラスがいて、助けたいと思う人がいるならそれを阻む理由は見当たらない。 被害者もいなければ被害動物がいるわけでもなく、生態系への影響も無いだろう。 カラスを助けたからといって何か問題が起こるわけでもないのだ。 あるのは助かった小さな命である。

誤解の無いように言っておくと、私はわざわざ森や山に出かけてカラスを保護しようと言っているのではない。 なぜなら自然界において、人間以外の動物は全て生存競争にさらされその結果、生態系のバランスがとられるからだ。 その原理に従えば、ケガを負った野生動物を保護することはイレギュラーなものである。

しかしカラスの場合は事情が異なるのだ。 カラスが保護される場所はたいてい道路や公園などであり、そこは人間の世界である。 山奥やサバンナで起こる動物たちのせめぎあいとは状況が違うのだ。

そして助けを求めるカラスに遭遇した人は、「命を見捨てることはできない!」という衝動に駆られるのである。 私はこの「助けたい」と思う人の心を尊重してほしいと言っているのだ。 それには法律の矛盾点を改める必要がある。

現在、カラスに係る保護活動をしているボランティアや団体は幾つもある。 しかし、それらは文字通り「烏合の衆」のような状態なのだ。 例えばこれらをまとめて「日本カラス連盟(仮称)」のような組織にすれば発言力も増すだろう。 しかし烏合の衆の我々にとって、そのような結束はおそらく無理だ。 だから各個人がゲリラ的に発信していくしかないと思い至り、第一弾として冒頭の意見投稿のお願いをした次第である。

様々な問題はあるが、とりあえずは目下の課題である「カラスの傷病救護」と、それに加えて現在の「飼養を前提とした捕獲許可を認めない」という指針から狩猟鳥獣を条件付きで除外を求めたい。 例えば電柱の感電防止のための巣の撤去など駆除を目的としない事例だ。この場合は飼育の申し出があればヒナを救助できるようにするべきと考えている。

野鳥にかかわる人は必ず鳥獣保護法を熟知していなければいけない。 役所では「カラスは飼ってはいけません」などと間違った説明がなされたり、「ヒナを拾わないで」のポスターには堂々と「スズメの捕獲と飼育は法律で禁じられている」という一文がある。

このポスターを書いた人はスズメの飼育を禁止する法律が存在しないことを知っていて、あえて記述しているのである。 要するに皆が法律を知らないのをいいことに、虚偽の内容で自分の主張に沿うようミスリードしているのだ。

この機会に、この法律の中でカラスの救護と飼育に関係する部分を分かりやすくまとめたので、現在カラスを飼っている人は必ず目を通してほしい。


カラス飼育者の心得


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2020年7月12日 公開

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