先日、神島から戻ってきたときのこと。
マリーナに戻るとすでに夕方。
朝から船を修理していたおかげで帰りがすっかり遅くなってしまった。
2017年10月15日 神島 ←先回のブログ
船はこうして陸上に並べて保管するのだが、
この辺りは野良猫が多く、
冬の間に船に乗らずにいると船内が野良猫の家となることもある。
それだけならまだ良いのだが、時には船内で出産することもある。
そして春になって船の様子を見に行ったとき、
初めて無邪気な子猫たちと対面するのだ。
ここの近所には野良猫の愛好家が住んでおり、
猫に大量のエサをやっている。
だが猫は大量のエサを一度に食べることができないので、
その食べ残しをカラスが食べる。
そして岸壁の方をよく見ると…。
いました。
この辺りにたむろするハシブトガラスだ。
ここは海辺なのでトビもいるが、数の力でハシブトガラスが圧倒しているのだ。
彼らの食料は主に野良猫の餌の残りと、この岸壁で釣りをする人からもらう小魚である。 そして、どちらも無い時は自ら海の幸を探す。
カラスたちは、夕方になるとこの岸壁に集合し始める。
やがて、いくつかのグループが集まり大きな群れとなる。
街灯に群れるカラスたち。
右の二羽は何か会話をしているようだ。
よく見ると右のカラスは後頭部が剥げた子ガラスだ。
今は幼鳥のころの羽毛が入れ替わる時期である。
子ガラスが飛び上がり、街灯の上を移動する。
上を向いて口を開けているのも子ガラス。 先程の子ガラスと兄弟だろう。
続々と集まってくるカラスたち。
街灯の柱は無数のカラスで隙間なく埋まり、あふれ出したカラスたちが細い電線にとまる。
秋の夕暮れとカラスのコントラスト。誰もが哀愁を感じる風景だ。
これほど夕暮れが似合う動物は他にいないだろう。
ここにも親子の姿が。
下が子ガラスだ。
このように上を向いて口を開ける仕草は子ガラスの特徴だ。そして口の中はまだ赤い。 双眼鏡で観察すると口の中が赤いことが確認できる。
子ガラスが甘えている。
それを避ける親ガラス。
子ガラスが成長すると、親ガラスは子ガラスを避けるようになるのだ。
すると突然、親ガラスが飛び掛かる。
空中でもつれあう親子。
上の親ガラスが羽をつかんだり手荒であるが、 これは本気で喧嘩をしているのではない。
子ガラスも負けていない。
体制を整えるが・・・、
だが再び圧倒される子ガラス(左)。
まだまだ親には勝てないのだ。
その勢いで対岸まで飛んで行ってしまった。
そして親子は対岸のビルの屋上へ。
仲間が対岸に渡ったのを見て、一斉にカラスが飛び立つ。
だが残るカラスたちもいる。
烏合の衆のように見えるカラスの群れだが、 こうしていくつかのグループや家族が集まった集合体である。
ここでも何か会話をしているようだ。
もうすぐ、ねぐらへ帰る時間だ。
2017年10月22日公開