今年は比較的過ごしやすい夏だったと思うがどうだろう?
温度計の針が40℃を超すことも少なかった。
ここ数年の酷暑の夏には何も期待していないが、過ぎ去ると惜しく感じるのがまた「夏」である。
毎年のことだが、何かやり残したような気持ちになるのだ。
そして今の季節は植物の成長にちょうど良いみたいだ。
草木が育つとヤギも喜ぶ。しかしまだ子供のモンジロウだけでは追い付かず、庭の草はどんどん成長する。
今年はこのヤギ一頭でどこまでできるか実験中であるが、もうすでに我慢比べの様相を呈している。
カラス小屋を見ると、そこにはカラスが一羽。
あれ?アディかな? いや、そんなはずはない。
我が家のカラスたちは小屋の外には出さないのだ。
他所のハシブトの子供が遊びに来たようだ。
不思議そうに小屋の中を覗いている。
遠くから撮影している私に気が付いた。
慌てて逃げるハシブト君。
以前遊びに来たユーモラスなハシブトとは違い、好奇心は旺盛だが野生の警戒心もちゃんと備えているのだ。
ウチのはこっち。アディは換羽を終えて気分も良さそうだ。
換羽の最中は食欲もなかったが、今ではすっかり元通り。
狙いを定めてぇ~
「ヨシッ!!」
合図に合わせて食らいつく。
しかし・・・、
今度はバン君が不調なのだ。
顔周囲の羽毛が抜け始め急速に換羽が進む。それと同時に元気がなくなった。
動かないほうの左の翼は換羽が遅く、ボサボサの羽毛がまとわりついている。
動かないから代謝も悪いのだろう。
早朝、ハシボソの家族がそろってやって来た。卵黄をくわえているのはハシボソのお父さん。
子ガラスたちは今がやんちゃの盛りだ。兄弟で激しい空中戦をして遊んだり、さらには池の水鳥をイジメて遊んでいるのだ。
朝、池の方でサギの悲痛な叫び声がするので様子を見に行くと、採餌中のサギを子ガラス三羽が襲撃しているではないか。そして飛び去るサギを追いかけ空中で執拗に絡んでいたのだ。私は記録を取ろうと急いでカメラを取りに戻った。しかし撮影を始めたのは事件がほぼ終わった後のこのシーンである。この写真は最後まで追撃をやめない一羽の子ガラス(後方)を捉えたものだ。
子ガラスたちはこれを遊びでやっているのだろうが、サギからすれば単なるイジメである。 カラスの行動というのは予測不可能な部分も多いのだ。「この動物はこうだ」という常識が当てはまらないのである。工夫して遊びを考え出す知能を持っているのだ。それがカラスの魅力であるが、嫌われる原因にもなっている。
さて、ハシボソのお父さんはいつものようにディフェンスで子ガラスたちの攻撃をかわしている。
このお預けタイムが彼にとって重要なのだろう。
これは教育なのか意地悪なのか、あるいはこれも単なる遊びでやっているのか?
もう一羽の兄弟も飛んできた。
これで三兄弟が集合だ。
ところでお母さんはどこにいるのかというと・・・。
普通にそこにいたのだが、まるで存在感がない。
喧騒をよそにひとり静かに食事中。
結局、今年の子ガラスもすべてお父さんに懐いてしまったのだ。
そして子ガラスたちは、お父さんの背中を追って飛んでいくのであった。
< 本日のオマケ >
雑草たちの競演
カラス小屋の裏の斜面ではヤブガラシが急成長している。
そして向こうから攻めてくる葛(クズ)と衝突し辺りを埋め尽くしている。
ここは本来、シュロの木があるはずだが左のクズと右のヤブガラシに覆われ姿も見えない。雑草界の二大巨頭が激しくせめぎあっている状態だ。しかも両方とも今は花が満開。
それに加えてノブドウも混ざり、まさにツル性雑草の競演である。
左の紫色がクズの花で右の白く小さいのがヤブガラシの花である。
一見してクズの花の方が綺麗だし美味そうに見えるのだが、虫たちはヤブガラシの花を好むようだ。
やって来たのはアオスジアゲハの雌。
開花したヤブガラシの花の蜜を吸っている。
次に来たのはスズメバチ。
隣のノブドウの花にとまった。こんな怖そうなルックスなのに花に群がる姿が何とも言えないが、 このハチはヤブガラシやノブドウの花が大好物である。 そのため、それらを除草中にスズメバチに襲われる人が後を絶たない。
こちらはアシナガバチだ。
スズメバチに比べるとフレンドリーではあるが怒らせてはダメ。
背中の模様がトレードマーク。
2019年9月8日公開