カラスブログ2018年11月26日 オオタカとカラス

秋になると我が家には様々な種類の猛禽類がやって来る。 オオタカ、ハイタカ、ノスリ、ミサゴなど。 彼らは夏にはあまり街には飛来しない。 その理由は、夏は彼らが住む山間部に獲物が豊富なこともあるが、 なにより夏の直射日光のもと長時間飛行するのが過酷なのだろう。

今日のように気温が低く、風のない晴れた日は彼らにとって遠くに足を延ばすにはちょうど良い。

「今日は行楽日和だから遠出しようかな」
 と、いったところだろう。

遠くから猛禽類たちがやって来るといっても遊びに来るわけではない。 ここにいる水鳥やハトを狙っているのだ。

ハイタカ

最初にやって来たのはハイタカ。


ハイタカとカラス

すかさず、森のハシブトガラスたちが怒声をあげながら緊急出動。

数羽で連携しながらハイタカを追う。

低空を飛んでいるように見えるが、これは望遠レンズで撮影しているので実際は遥か上空の出来事である。


ハイタカとカラス ハイタカとカラス


肉眼で見るとこんな状態。


画像を拡大すると青空に黒い点々が見えるが、それらがハイタカを囲む三羽のハシブトガラスである。 視力の悪い人では見失うほどの高度でバトルを繰り広げる。

ハシブトガラスたちは、自分たちが狙われたわけではないのに執拗に追い払う。

普段は威張り散らしているカラスたちだが、 森の小動物にとっては侵入者を追い払ってくれる頼れる兄貴といったところか。


トビ

今度は大型の猛禽類が飛来した。

だが、先ほどのハシブトガラスたちは沈黙している。


トビ

羽の模様と三角形の尾の形状から、これはトビである。

どうやらカラスはトビには脅威を感じないらしい。

ところでトビはこの辺りには生息しておらず、普段は見かけることはない。 最も近い生息地域から15km以上も離れている。

カラスと同様、あまり長距離移動をしないと思っていたが、 そうでもないようだ。

たまには遠出をしたくなるのだろう。


そして周囲は晩秋の静けさを取り戻す。


カラスのバン君

その時、カラス小屋から
「カァアッー、カァアッー、」という澄み切った声が響く。 バン君の鳴き声だ。 これは猛禽類の接近を知らせるときの合図である。

上空には何もいないが、おそらくオオタカが近くの森に潜んでいるのだろう。

バン君はオオタカに対して異常なほどの警戒心を持っていて、 誰よりも早く発見する。

まさにオオタカ発見器。


カラスのアディ

しかしアディは・・・、

「はぁ?なんですか?」という感じで危機感はない

カラスは本能的に猛禽類を警戒するといわれているが、 それは間違いだろう。

巣立ち間もなく人間に育てられたカラスは猛禽類に反応しないのだ。


ハシボソのお母さん

池のほとりの茂みでハシボソガラスが警戒音を上げている。

「グァルルル、グァルルル、」という低いうなり声だ。


ハシボソのお母さん

茂みの上空でホバリングし、 真下めがけて急降下を繰り返す。

あれはハシボソ夫婦がオオタカを見つけた時の行動だ。 最近、この行動を頻繁に目にするのだが飛び出してくるオオタカの速度が速すぎて、 なかなか撮影に成功しないでいる。


ハシボソのお母さん

屋根に戻ってきた。手前がお父さんで奥がお母さん。

先ほど、茂みの上で威嚇していたのはハシボソのお母さんだ。 こうして夫婦の内、一羽が高いところで監視し、もう一羽が森に潜むオオタカを挑発しに行く。


池のほとり

今日こそはオオタカの姿を観察したい。オオタカが飛び出して来そうな場所に先回りしよう。 私はカメラを持って急いで池の方に向かった。

こういう時は静かに動かなければいけないのだが、 焦ってガサガサと物音をたててしまった。 その物音に驚いた水鳥が飛び出し、次の瞬間、茂みの中からオオタカが飛び出してきた。

またしてもその瞬間は撮れず・・・。


オオタカ

私は最大限に急いで飛び去るオオタカを追いカメラを向ける。

飛び去るオオタカと、周囲からはハシボソのお父さんの鳴き声が響く。


オオタカとカラス

一見してハイタカやハヤブサよりも大きい。 そしてグレーの背中に白い腹、丸みを帯びたゼブラ模様の尾羽。 これはオオタカに間違いないだろう。


オオタカとカラス

よく見ると飛び去るオオタカの向こうから、 猛スピードで飛んでくる飛行物体がある。

あれはカラスだ。

オオタカはそれを避けるように左に旋回する。


そして次の瞬間・・・、


オオタカ

真横から別のカラスが襲い掛かる。 鳴き声から、これはハシボソのお父さんに間違いない。

先ほどの画像で、向かいから飛んできたのはハシボソのお母さんだったようだ。 夫婦でオオタカを挟み撃ちするつもりなのだろう。


オオタカ

カメラの視野から外れてしまったがこの時、右奥からハシボソのお母さんが凄い勢いで迫っている。

そして二羽でオオタカを猛追撃する。


カラス

数秒後、ハシボソのお父さんが戻ってきた。

オオタカはカラス単独では敵う相手ではないが、 長年連れ添った夫婦のコンビネーションでオオタカを撃退した。

茂みに身を潜めて待ち構えるオオタカは、その存在も見つけにくい。 さらに獲物を見つけて飛び出してくるときは砲弾のように速いのですぐに見失う。 動画にすると数秒の出来事であり、興味がない人には気が付くこともない出来事だ。 しかし、森の中では毎日繰り返される戦いである。

もしかすると、あなたの周囲でもオオタカが狩りを行っているのかもしれない。

ブログホーム

更新履歴

2018年11月26日公開

News
ブログ