今年は暖冬になると予想されているが、 11月下旬ともなるとさすがに寒い。
この数日の冷え込みで虫たちもほとんどが姿を消した。
だが今日のように天気が良い日はまだ蝶が飛んでいる。
これは冬眠前のヒメアカタテハだ。
そして秋といえば子ガラスが独り立ちする季節。 春の巣立ちに続き、彼らの生涯で最大の試練の時である。
さて、子ガラスはどうなったかな?
もうすぐ冬なのにまだ家族と一緒に過ごしている。
左からお母さん、お父さん、そして屋根にいるのが子ガラスだ。
毎度おなじみとなったこのポジションである。
両親を刺激しないように控えめに、そしてさりげなく自分の存在をアピールする。
おっと、つい甘えた声が漏れてしまった。
口の中がまだ赤いが、これは翌春にかけてゆっくりと黒くなっていく。
珍しくお母さんがキレた。
突然子ガラスに掴みかかる。
そして無関心なお父さん・・・。
お母さんは子ガラスにナメられているようだ。
子ガラス(左)は逃げずに平然としている。
例年なら子ガラスを追い払うのはお父さんの仕事である。
その時の様子は外敵を排除するかのような威圧感だったのだが。
今年のお父さんは子ガラスに甘い。
「まったく うるせー母親だぜ!」
懲りずにやって来た子ガラス。
お母さん(左下)はイラついているようだが?
今度はお父さんが子ガラスの方に飛んだ。
追い払うのか? いや違うだろう。
そうでないことは子ガラスの期待に満ちた表情から分かる。
「あばばばば」と、ヒナのような声を出してお父さんに甘えている。
親鳥と同じような体格なのに甘える様子は滑稽である。
まさにカラス界のニート。
お父さんは無視を決め込んでいるように見えるが、 おそらく後で子ガラスに食べ物を分け与えるのだろう。
珍しく自分を慕う我が子に悪い気はしない。 それよりも、かなり嬉しいのではないだろうか。
お父さんの後を追って飛んでいく子ガラス。
こんな状態で独り立ちできるのか心配になるが、 そこは大丈夫である。 今年の子ガラスは意外にしたたかで図々しく要領が良いのだ。
逆にお父さんが子離れしていないのかもしれない。
2018年11月18日公開