あんなに暑い夏だったが気が付けば季節はすでに秋。
夏の暑さに枯れかけた木々は息を吹き返し、動物たちも元気になった。
この猫は、我が家の周りをウロウロしている野良猫だ。
よく見ると左耳にV字カットがある。
どうやら地域猫♂のようだ。
周辺のデブ猫と違い、軽やかな身体能力が彼の自慢である。
彼は最近になってエサ台に登ることを覚えた。
カラスの食べ残しを狙っているのだ。
しかし、たいていの場合は何も残っていないので徒労に終わる。
意外にもエサ台を設置して以来、ここに到達した猫はいなかった。
彼が初登頂である。
このエサ台は、そこらにいる太った猫たちが登れない高さに設計してあるのだ。
我が家のカラスたちも元気だ。
手前がアディ、奥がバン君。
酷暑の頃は食欲もなく元気がなかったが、今はご覧の通り。
もの凄い食欲である。
まさに食欲の秋。
ハシボソの家族も相変わらずだ。
ハシボソのお母さんは顔がハゲまだらになっている。 換羽のピークを迎えたようだ。
ここ数日は親子三羽で行動している姿をよく見かけるが、 子ガラスはいつも一歩下がったところにいる。
最近は、家族の輪に入れずにいるようだ。
両親が食事しているのに、子ガラスは独り屋根の上。
お父さんが卵黄をくわえて屋根の上に移動した。
その瞬間、わずかに期待の表情が浮かぶ。
この子ガラスは、お父さんのことを慕っている。
成長した今でもその気持ちは変わらないようだ。
だがしかし、お父さんは子ガラスを無視して去ってゆく。
もう少しで甘えた声が漏れそうな子ガラスだったが、 その感情をぐっと我慢しているようだ。
「もう、あの頃の優しいお父さんはいない。」
「あんなに優しかったお父さん・・・。 優しかった・・・、」
「あれ? まてよ、」
「そういえばお父さんが優しかったことあったっけ?」
こうして少しずつ、独り立ちの時が迫る。
彼にはその自覚がすでに備わっているようだ。
2018年9月30日公開