カラスブログ2017年7月9日 縄張り争い

この1週間ほど、池の周囲でカラスの鳴き声が絶え間なく響いている。 熾烈な縄張り争いを繰り広げているのだ。

カラスの縄張り争い

事の発端は、森の北側を縄張りにしているハシブトガラスの家族が、 池の周辺の土地を狙い攻め込んできたのだ。




 ↓ この周囲のカラスたちの縄張りを図にするとこんな感じ。

カラスの縄張り争い

私が観察しているハシボソ夫婦は、池の畔の開けた土地を中心に、 南の鉄塔を含む南北に細長い縄張りを持つ。

森にはハシブトガラスの縄張りが二ヵ所ある。 毎年、ヒナが成長するこの時期になると縄張り争いを始めるのだが、 結局は元の縄張りを維持して戦いは終わる。


カラスの縄張り争い

鉄塔に群がるハシブトガラスの家族。

喧嘩しに来たのに子供を連れてくるというこの余裕。 この家族も子ガラスが二羽だ。

ハシボソの家族から制空権を奪い、 ついに古巣がある鉄塔までも制圧した。

そしてなぜか、巣立った後の古巣を物色している。


カラスの縄張り争い

巣に顔を突っ込んでいるが、 いったいこの古巣に何があるというのだろうか?

ハシボソの忘れ物を拾っているのか、 はたまた、エサの隠し場所にでもしたのか・・・?


カラスの縄張り争い

何かあるのは間違いなさそうだ。



ハシボソの縄張りを奪ったハシブト一家。

ハシボソの家族はこのまま追い出されてしまうのか?

だが異変が起こった。


カラスの縄張り争い

突如、他所から複数羽のハシブトガラスが乱入してきたのだ。


カラスの縄張り争い

そこらじゅうで乱闘状態である。

ドッグファイトを繰り広げ、相手に追いつくたびに足蹴りを繰り出す。

昨日まではハシボソ対ハシブトの争いだったはずが、 この時点からハシブト対、よそのハシブトの争いに変化したのだ。


カラスの縄張り争い

前を飛んでいるのは、他所のハシブトガラスだ。 この個体は私は見たことが無い。

それにしても、羽抜けが多くボロボロの状態だが、 いろんな所で喧嘩を売っては、傷を負っているのだろう。

喧嘩専門のチンピラのようなカラスだ。


カラスの縄張り争い

行ったり来たりの攻防戦が続くが、その間にも枝に羽をぶつけたりしている。

こいつはあと何枚か羽が抜けたらマズイことになりそうだ。


カラスの縄張り争い

そして、しばらく争った後にこうして休憩を入れる。

申し合わせたように一斉に休憩に入るのだ。

まるで何かの競技のようだ。


カラスの縄張り争い

ここにもハシブトの戦闘員が一羽。


カラスの縄張り争い

そして我が家の庭にも一羽。

全てハシブトガラスだ。 合計で8羽くらいいる。

混戦状態で見分けがつかない状態だが、 声に特徴のあるヤツ二羽と、先ほどの羽抜けは識別できる。


カラスの縄張り争い

その内、一羽が口火を切り、再び争いが始まる。 後方にいるのは先程とは別のカラスだ。

その間、ハシボソの家族はというと?

周辺の木に止まって見ているだけ・・・。

思わぬ外敵の襲来により、 縄張りは混乱状態に陥っている。


カラスの縄張り争い

そして、対岸でハシブトガラスが雄叫びを上げるたびに、 我が家のバン君が興奮する。

屈強なハシブト戦士の血が騒ぐのだろう。

「クソッ! この羽さえ動けばこの俺も・・・。」

バン君は野生の本能を色濃く残しているのだ。


カラスの縄張り争い

ところで、野外でカラスの個体を識別するには、 「鳴き声」が重要な要素である。

だが、バン君がこんなに近くで雄叫びを上げるおかげで、 それも難しい。

乱入してきた他所のカラスたちも、 この「外野の声」を聞いてさぞ困惑していることだろう。




 それから1週間


長く続いたカラス戦争は終戦を迎えた。 あんなに凄い勢いで攻勢をかけてきたハシブト軍団だったが、 結局は縄張りを奪取できず、 姿を消したのだった・・・。

そして争いの原因たるハシブトの家族も、元のねぐらに戻っていった。


カラスの親子

混戦状態の一週間。

ハシボソの家族たちは 開戦早々からから戦線離脱し、すっかり蚊帳の外の見学組だった。

最初は縄張りを侵犯した隣のカラスと戦っていたはずが、 気が付けば、自分たちの縄張りの中で他所のカラス同士が喧嘩をしているという、 よく分からない構図になったのだった・・・。

そしてよく分からないが縄張りを守った?・・・のだ!



そして、平和な日々が戻ってきた。

カラスの親子

エサ台に置いたドッグフードを取りに来たお父さん。 子ガラスは屋根の上で待っている。 このお父さんは、普段は私がいても平気でエサ台に来るが、 子供連れだと警戒心が強くなり、 非常に慎重である。

警戒心というよりも、子供の教育のためにやっているのだろう。

人間が怖い存在だということを教えているのだ。


カラスの親子

腹をすかせた子ガラスがお父さんをせかしている。


カラスの親子

じつに生意気だ・・・。


カラスの親子

ジダンダを踏む子ガラス。

図体は立派になったが、 まだ親鳥からの給餌に頼る甘っタレである。

自分で食事できるようになるのは、もう少し先だ。


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2017年7月9日公開

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