この写真は、5月中旬にハシボソ夫婦がエサ台に来た時の様子である。
この時、新しく作り替えたエサ台には一つ欠点があった。 上の写真を見ての通り、白い部分が写真に写りにくいのだ。いわゆる白飛びである。
5月25日
エサ台の色を塗り替えることにした。
最初は奇抜なコントラストを狙って白に塗ったのだが、元の天然色に戻してやる。
完成してからでは意外と塗りにくいものだ…。
しかし、エサ台の色を塗り替えて以来、ハシボソ夫婦は来なくなってしまった。 色が変わったことが原因ではない。周辺のカラスたちのパワーバランスが変化したのだ。
森のハシブトは今年は子だくさんで、五月下旬には4羽のヒナが巣立ったのだ。 両親と合わせて総勢6羽で移動するものだから、それはもう朝から騒々しい。 しかもハシブトの両親は非常に気が立っている。その勢いにハシボソ夫婦は圧倒されたのだろう。
そして6月に入った。
ハシボソ夫婦は来ないが野良猫は来た・・・。
こいつは近所の婆さんが可愛がっている例のノラ猫だ。
図々しいヤツだがハシボソ夫婦が来ないから仕方がない。
周辺を探してもハシボソ夫婦の姿は見当たらないのだが、遥か南東の方角から声が聞こえてくる。 もしかすると縄張りを移したのかもしれない。
そしてこの場所もハシブト軍団の管轄下となった。
近所の爺さんの畑では、大切に育てたナスやキュウリがハシブトの幼鳥に食われたそうだ。 どうやら子ガラスたちは遊び半分で畑を荒らしているらしい。
鉄塔の周辺もハシブトたちに占拠された。
一番左のは例のカラスの模型だが、違和感なくハシブト軍団に溶け込んでいる。
ハシブトの家族がうるさいせいで我が家のカラスたちも落ち着かない。
アディ(左)は興奮して翼をバサバサやるものだから、そこら中にぶつけて羽が取れてしまった。 でも、今年の換羽で新しい羽に新調されるから心配はいらない。
スイカでも食べて落ち着いてくれ。
意外にもアディの大好物なのだ。
味が好みというよりも、解体しながら食べるのが好きなのだ。
ハシボソ夫婦の姿を見なくなって久しいが、定点カメラを確認すると日の出とともに来ていたのだ。 写っていたのはハシボソのお父さんだ。 何かを警戒するような様子で、少し食べただけですぐに立ち去った。
7月に入ると雨の日が続いた。
降り続く雨に最も影響を受けるのがモンジロウだ。
仕方ないから毎日竹を切り倒し、竹の葉を与えている。
こんなに毎日竹ばかり食わして良いものか?
多少心配だが今のところ腹の調子は問題ない。
ところで、モンジロウにはある変化が現れた。
昨年のアゴヒゲに続き、今度はおでこに前髪が生えてきたのだ。
このまま進めばイイ感じのイケメンになるのかもしれない。
しかし逆に、変な感じのマヌケなヤギになることもあり得る。
こうして一カ月以上が過ぎた。
そしてついに先週・・・。
何くわぬ顔でハシボソ夫婦が戻ってきた!
久しぶりに揃う夫婦の姿である。換羽が始まり羽毛がボサボサになっているが元気そうだ。 そこにはやはり子ガラスの姿はない。 姿を消している間、「どこかで子育てをしているかもしれない」と、わずかに期待していたのだが。
戻ってきた理由は、この周辺のカラスのパワーバランスが再び変化したのだろう。確かに最近、ハシブトたちが静かになっていた。
久しぶりに見るハシボソのお母さんだ。 以前、最後に見たときは元気がなかったが今は回復したようだ。
今年は子ガラスもいない、夫婦だけで過ごす夏である。
2020年7月19日 公開