カラスの飼育法 「ヒナの飼育」

*この記事は改訂前の古い情報です。新しい記事は こちら

早めの栄養補給を  カラスのヒナを保護した場合、 なるべく早く栄養補給をする必要がある。 保護されるまでに何も食べていない可能性があり、 その場合は餓死寸前の可能性があるからだ。 飼育方法は、親鳥がやっているのに近い環境を作り出すことが重要だ。

ケガの有無を確認する  ヒナを保護した場合は、まず怪我の有無を確認しよう。 骨折している場合は、すぐに獣医師に診てもらう必要がある。 巣から落ちてきたヒナを保護した場合だが、 それは親鳥が育児放棄した可能性もある。 ヒナに奇形や持病があるなど、 成長が望めないと判断すると育児を放棄することがあるのだ。 ヒナに変わった症状がみられる場合は、対策を獣医師に相談するべきである。

子ガラス 保温が重要  羽毛が生えそろっていないヒナの場合、 保温が必要になる。 全身がハリネズミのようなトゲに覆われているようにみえるが、 それが羽毛の成長段階であり、その状態では羽毛の保温効果がない。
 その時期の室温は17℃くらいだろうが、 25℃くらいに保つのが理想である。
 さっきまで寒い外にいたではないか?と、思うかもしれないが、 巣の中では複数のヒナが体を寄せ合って保温しているのだ。 だから単独のヒナの場合は室温を上げる必要がある。 だからと言って、 カイロを密着させるなど局所的に温めるのはよくない。 あくまで室温を上げて、緩衝材などを詰めた巣のようなものを用意してやる。
 羽毛が完全に生えそろった後は、 特に保温する必要は無い。

ヒナのエサ 食べ物は何を与えればよいかというと、 カラスの場合はドッグフードと九官鳥の餌を混ぜて与えると良い。 だがここで忘れてはいけないのが、 それらのドライフードはお湯でもどす必要があることだ。 親鳥はエサを咥えてヒナに食べさせるのではなく、 いったん飲み込んでから吐き出したものを与えている。 この時に水分を同時に与えているのだ。 だが、人間がそのような与え方はできないので、 疑似的にそれに近い状態を作る。

子ガラスのエサ ドライフードをお湯でもどす  まずはドライフードを器に入れて。続いて45℃くらいのお湯を注ぐ。 そして数分間待つとドライフードがお湯を吸って膨らむ。

子ガラス これを摘まんでヒナの口元に持っていくと、 自然に口を大きく開けるので、 このように餌を放り込んでやる。 水分は餌に吸収した程度の量で充分。 水をガブ飲みさせる必要は無い。
 もし保護したカラスが口を開けない場合、 それはかなり具合が悪い状況である。 動物病院に連れていくか、 インジェクションの技術があれば自分で強制給餌してもよい。

カラスの飼育情報 ←関連ブログ 必読!


その後の飼育

子ガラス カラスの幼鳥はエサを自力で食べることはできない。 それは野生のカラスでも同じで、 巣立ち後1ヶ月以上は親鳥からの給餌に頼っているのだ。 これは、目の前にエサが落ちていて、その時空腹だったとしても拾うことはしない。 したがって、この時期の子ガラスは誰かが常にそばにいて、 日の出とともに給餌を開始し、 1時間おきにエサを与える必要がある。 したがって、昼間は仕事で留守という家庭では飼育することは不可能である。 給餌方法を手渡しから置き餌に切り替えるタイミングは、 飛べるようになってからでよい。 同時に水の容器を用意し自力で飲めるようにする。 また、躾をする場合は餌の手渡しを継続していた方がやりやすい。

飛ぶ練習は?  ヒナは自然に歩く練習をし、続いて飛ぶ練習もするので、 飼い主はそれを補助し、怪我をしないように見守るだけで良い。

カラスとしての教育

巣立ち前のヒナを保護し、その後の放鳥を考えているなら、 カラスとしての姿勢を覚えさせる必要がある。 だがしかし、人間がそれをするのは非常に難しい。 巣立ち前に人間と一緒に暮らした子ガラスは、人間を親と思ってしまうからだ。 そんな場合は、放鳥を諦めて家族の一員として迎え、飼育を続けることをお勧めしたい。

飼育法について分からないことがあればご相談ください。

 ご相談はこちらへ→ 問い合わせフォーム 

返信は必ずしておりますので、当サイトからの返信が届かない場合はメールフィルターをご確認いただくか別の端末から再送信してください。

更新履歴

2021年5月5日 2021年改訂版へ移行

2020年8月16日 関連ブログ「カラスの飼育情報」へのリンクを追加

2020年5月13日 「問い合わせフォーム」へのリンクを追加

2017年8月27日 公開

お知らせ
News
ブログ