カラスの子育て2018 その7

2019年2月22日

カラス

カラス小屋のむこうの枝に子ガラスがとまっている。 エサ台の上には卵黄があるのだが子ガラスは取りに来ない。 今はお父さんを待っているところなのだ。

エサ台に近づかないようにお父さんから躾されているのである。


カラス

お父さんがやって来た。左がお父さんで右が子ガラスだ。


カラス

お母さんは先にエサ台に来ている。


カラス

「誰も見てないし~、全部食べちゃおうかな♪」


温厚な性格の彼女だったが、最近はお父さん化してきたようだ。


しかし

カラス

「・・・、」


カラス

「ゲッ、見られてた・・・」


 お母さんは静かに卵黄を一つ戻した。


2019年2月27日

カラス

2月中旬から巣作りを始めたハシボソの夫婦。

当初は昨年と同じ松の木に巣を作ろうとしていたが、 途中で気が変わり鉄塔に変更したようだ。

ここは一昨年と同じ場所である。


カラス

お父さんは上から様子を見て指示をしているようだ。

夫婦の共同作業である。


さて、子ガラスはどうしているのか?

カラス

子ガラスはイラついてる。

やり場のない感情から、しきりにクチバシを枝に擦り付け鳴き声を上げている。 両親が自分を無視し、何か別のことに熱中している。 子ガラスの立場としては言いようのない疎外感でいっぱいだろう。


2019年3月4日

カラス

巣の位置を決めてからは猛烈な勢いで造り続け、3月4日には巣の形が出来上がっていた。


2019年3月8日

カラス

朝、いつものようにハシボソの家族がやって来た。


カラス

これは子ガラスだ。

もう「子ガラス」という呼び方にも違和感があるが、 他に呼び方が思い浮かばないので仕方ない。


カラス

エサ台のお父さんの様子をうかがっている。


カラス

子ガラスには、ある変化が表れた。

口の中をよく見てほしい。

そう、黒くなってきたのだ。 カラスの幼鳥は口の中が赤いのだが、それは1歳になるころに黒くなる。 長期間かけてゆっくりと黒くなるのではなく、 赤色が徐々に薄くなったかと思うと、ある時から急激に黒くなるのだ。


カラス

卵黄をくわえて飛び立つお父さん。


カラス

どうする?


カラス

「あとを追うのだ!」


2019年3月13日 早朝

カラス

夜明けからハシボソの声が響いている。

周囲が明るくなったところで観察してみると、 声をあげていたのはハシボソのお母さんだった。

ケンカのときの声と似ているが様子が少し異なる。


カラス

そして次の瞬間、電線にとまる我が子に猛烈な勢いで襲い掛かった。


カラス

夜明けから響いていた声は、 子ガラスを威嚇するお母さんの声だったのだ。


カラス

何度も追い払われる子ガラスだが、 その後すぐに戻ってくる。

この子ガラスはお母さんのいうことは全く聞かないのだ。


カラス

上空を行ったり来たり。

執拗に子ガラスを追い回している。

明らかにいつもとは様子が違う。

どうやら今日を決別の日と決めたようだ。


カラス

一時間が経過した。

太陽が昇り周囲が明るくなってきた。


カラス

ここでお母さんの攻撃は激しさを増す。

お母さんはついに、子ガラスに空中で接触し足蹴りを食らわせた。


カラス

その勢いで森の向こうまで子ガラスを追い払ってしまった。

いつもはお母さんをバカにしている子ガラスだったが、 さすがにその気迫に負けたようだ。



ところでその間、お父さんはというと・・・、


特に何もすることなく傍観していたのであった。

それから二週間が過ぎた

それ以来、子ガラスが戻ってくることはなかった。

今まで何度も親元を離れては戻ってきていたが、今回は事情が違う。

もう、自分の居場所はここには無いのだ。


庭の桜

季節はめぐる。

再び生命育む春の訪れだ。


2018年5月の巣立ちから10カ月

カラス

あの子ガラスはついに独立した。

その年の秋に独立することなくニートのごとく家族と暮らし、 桜の咲く今、ついに独立したのだ。

この図太さとたくましさがあれば、どこへ行ってもやっていけるだろう。


カラス

夕方、街の電線にはたくさんのカラスが群れている。

あの子ガラスはうまく仲間に入れたのだろうか。

これからは家族ではなく、仲間のカラスたちと競い合いながら成長していくのだ。


またどこかで会おう!


カラス

~完~


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2019年6月8日公開

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