2016.12.30
次に腰板を貼るためのフレームを取り付ける。
日曜大工は大晦日までの年末のまとまった休日が勝負なのだ。
ここで一気に仕上げる。
言うまでもないが、正月は静寂と非日常を楽しむものなので、
そこで電動工具の音を響かせるなどという無粋な真似はできないのだ。
無粋というよりも単に近所迷惑である。
杉の腰板を次々に貼っていく、 屋根に比べると作業は簡単で早い。
腰板を全て貼り終わり、
東屋としてはほぼ完成である。
だけどちょっと、よく分からない感じだね。
この屋根材が雰囲気を台無しにしているのだろう。
半額見切り品の屋根材に釣られたことを悔やむが、
でも、「屋根材は非常に高価なのだ」と、思い直す。
目指していた「寺のお堂」のような佇まいとは程遠く、
なんだか、道の駅の公衆便所のような佇まいだ。
ところで、最近の道の駅の便所って、なんで木造なんだろうね?
重厚感を出すためには、濃い色にした方が良いだろう。
黒も考えたが、そもそもカラスが黒色なので、それは避けて、
ウォルナットにすることにした。
組み立て後に垂木を塗るのは非常に面倒だ。
最初から塗ると分かっていれば組む前に塗っていたのだが・・・。
ところで、塗装には大切なコツがあり、
それは「説明書の通り」に塗ることだ。
何を分かり切ったことを、と言われそうだが、
皆さん、意外とこれができないのだ。
そう、薄く広く、焦って厚塗りすることのないように。
一日で塗装完了。 ダークな感じに仕上がり、とりあえず「道の駅の公衆便所」は脱したかな、と思う。
塗ったおかげで、落ち着いた雰囲気にはなったが、
逆に面白味は無くなった。
塗装はしない方が、木そのものの香りや色の変化を楽しめるのだが、
やはり、劣化を考えると塗った方が良いのだろう。
天井もご覧のとおりに。
積年の渋みが表現できたような気がする。
最後の方に塗った部分は、何だかまだらになっている。 「今日中に仕上げたい」という邪念が心を乱し、 説明書から逸脱させるのだ。
Newカラス小屋の制作はいよいよ、カラスの居住部分へと移る。 カラスが暮らすために必要な防水床、 窓の金網と天井だ。今までのカラス小屋は、 小屋を移動式にすることで床の掃除が必要なかったが、 移動した跡の地面が何となく汚染地帯のような雰囲気が漂うのだ。 そこで今回は、バスルームのような防水床にすることにした。 防水床の代表的な素材であるFRPを使い、 清潔な床を目指したい。
まずはFRPの土台となる木枠を作る。 メインのフレームは太いものを使用する。 三角形に組んであるフレームの頂点が最も低く、 ここが排水口になる。 この部分に向かって緩やかに勾配をつける。
次に垂木を組んでいく。屋根を作るときと似たような工程だ。 垂木が緩やかに傾斜している。 実に複雑な角度だが、特に計算はせず、 感覚を頼りに角度を決める。
そして格子状に組んでいく。
これでフレームは完成。
次に型枠用コンパネを貼る。
そして隙間を埋めて、さらにコーナーをこのように45度にする。
FRPの施工はなるべく直角は避けた方が、強度や作業効率の面でもその方が良い。
このような絶妙な角度の組合せは、大工の腕の見せ所だ。
私は大工ではないのだが、最近は大工の精神を心に宿している
次にこれ。
鳥小屋に必須の金網。
金網屋に注文して届いたところだ。
マス目の口径28㎜でイタチが侵入できないサイズ。線径は2㎜。
注文サイズは幅1m、長さ12m。ステンレス製で、お値段は5万円。
少々高いが、ここはケチらない方が良い。
金網を貼り付ける窓枠は、このような角材を当てて金網をサンドイッチにする。 塗装は必ず組み立て前にする。
天井は吹き抜けにする予定だったが、 凝った形状の屋根のため、隙間を塞ぐのが難しい。 仕方ないので金網にする。 フレームを取り付けて金網をのっける。
そして上から角材を当てて、ボルトで締めこんで網を固定する。 線径2mmなので、人が乗れるほどの耐荷重がある。
側面はこんな感じ。
幅1mでオーダーしたのに、金網屋が要らぬ気を利かせて2cm余分なサイズを用意してきた。
こちらはキッチリ1mで設計したので、全周にわたり余分な2cmをカットする羽目になった。
実に大変だった。
金網を貼ると、ただの東屋だったのが鳥小屋の雰囲気に変化する。
カラスたちは一日中、作業を見守っている。 もしかすると、自分たちの新居を建てているのを認識していたりして。
作業している日は機嫌が良い。