管理人ブログ2017年10月15日 神島 (後編)

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監的哨

監的哨を後にし再び山道を進む。


アサギマダラ

道沿いに咲くアザミに蝶がとまっている。


アサギマダラ

渡り蝶のアサギマダラ。

そう、今日ここに来た目的はこれだ。

この蝶は非常に温厚な性格で、 人間が近づいても手の届くところをふわふわと飛ぶ。

この蝶は鳥などの捕食者から身を守るため体内に毒を貯めている。 そのため逃げる必要が無くなり、警戒心が薄くなったのだろう。


アサギマダラ

こちらにも一頭いる。

羽に何か文字があるように見えるが?


アサギマダラ

「神」と書かれている。

実はこの蝶は追跡調査の対象となっていて、 調査員がこのようにマーキングするのだ。

今ではインターネットで情報が共有できるようになり、誰でも調査に参加できるようになった。

だが事情を知らない人が見たら一瞬びっくりすると思う。

なんたって「神」という文字が浮き出ているのだから。


アサギマダラ

シリアル番号と日付も記載されている。

今日は10月12日なので、 前日に調査員が来て一斉にマーキングしていったのだろう。

この追跡調査は30年以上前から行われているが、 だいたいの行動パターンが判明した現在、 もはや調査というよりも愛好家によるレクリエーションである。

夢見がちな少女が手紙を瓶に入れて海に流すようなものだ。


アサギマダラ

こちらにも一頭。こいつは93番だ。

この蝶たちは本州の山岳地帯で夏に羽化し、 南下の途中でここ神島に立ち寄るのだ。

この島は雨風をかわせる上に食料となる花の蜜も豊富である。 さらに今後の風を読むのにも適している。

この島で風が北東に変わるのを待つ。

そしてその風に乗ってはるか南西諸島を目指すのだ。


アサギマダラ

山道はまだ続く。

この道沿いにはそこら中にアサギマダラが乱舞している。


アサギマダラ

目が覚めるような鮮やかなコントラスト。


アサギマダラ

この島はアゲハ蝶が少なく、邪魔されることなく花の蜜を独占できるのだ。


アサギマダラ

三頭並んだアサギマダラ。

左の個体はマーキングされている。


アサギマダラ

暗い山道に陽の光が差し込み、無数のアサギマダラが乱舞する。

まるで夢の情景のように幻想的・・・。


アサギマダラ

この蝶には変わった習性があり、白いタオルを振り回すと自ら寄ってくるのだ。


アサギマダラ

こうしてワラワラと集まってくる。


アサギマダラ

しばらく蝶たちと戯れるが、もうあまり時間が無い。

名残り惜しいがこの場を後にする。

道はようやく下り坂となり、コースが終盤に差し掛かったことを知る。


神島灯台

下り坂の途中に灯台が姿を現わす。

これが有名な神島灯台である。


神島灯台

眼下の暗礁を照らし、伊良湖水道の安全を護っているのだ。


神島灯台

灯台の隣に家があるが、昔の灯台守の宿直場所だろう。

内部を覗くと映画化された潮騒のシーンが飾ってある。

あれはおそらく、ヒロインの「初江」役を演じた山口百恵。


神島漁港

ボートを停泊した漁港が見えてきた。


神島

漁港に近づくと民家が見えてくる。

この島の住民はほとんどが漁民のため、民家は漁港の近くにしかない。


神島

急峻な山肌にぎっしりと建てられた民家。


神島

通路は極めて狭い。


神島

ここにも「潮騒」の解説がある。

「潮騒」はこの島の主な観光資源なのだ。

若い世代は潮騒を知らないかもしれないが、 この島を訪れるにあたり、事前に小説を読んで結びつける必要は無いと思う。

この島の美しい自然や漁村の風情を感じたうえで、 後日、この島を思い出して小説を読むくらいがよいだろう。


神島

この路地を抜けるとゴールだ。


神島

漁港に到着。

八代神社に参るのを忘れていたが、 もう時間が無い。

三島由紀夫も滞在中に毎日お参りした神社だ。

もし彼が見ていたなら、「島を一周したのに八代神社に参らないとな!?」 と、なりそうだ。

八代神社は、いにしえより伝わる神宝を数多く秘蔵し、 神の支配するこの島の中心たる存在である。


神島

急ぎ係留を解き、船を出す。


神島

防波堤に一列に並んだカモメたちに見送られる。


神島

そして船を先導するかのような海鵜。


神島

せっかくだから今日歩いたコースを沖から見てみよう。

この島の西側は見ての通り、断崖絶壁で草木も少ない。


神島

そして南側。 小学校の校舎が見える。

大胆な場所に建てたものだ。


神島

東側に回ると先程の灯台が見える。

そして灯台を背に帰路に就く。

さらば神島。

あの蝶たちはしばらくこの島に留まった後、さらに南を目指す。

果てしない旅だ


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2017年10月15日公開

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